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マッスル・ウィッチ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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マッスル・ウィッチ 22

飲み込みが早いのか要領がいいのか、再装填中のモノでも的を捉えたまま。
相変わらずふわりと、繊細に女性への労りを備えた動作である。
更に付け加えれば、屹立状態よりも萎えた状態の方が、処女喪失間もないソニアへの負担が少ない。

偶然、というよりも貴族男子が必須の要素、社交的かつ本能的に女性への気配り。
先程散々罵ってくれた乳房に重苦しくない程度の頬擦り、未熟な乳頭は唇で撫でる程度の加減。
ハインケルはそうしてソニアを悦ばせる行為で、彼自身も興奮したとばかり、三射目の装填完了を胎内に示していた。
口は悪いが気の利いた態度、それが余計にソニアを苛立たせる。

騎士であるソニア(だけに限った事ではないが)昔から砲術師や魔術師とは妙な因縁がある。

それはソニア十六歳の初陣であった。

ヴァーランド公国と隣接した荘園領主が領土拡大に欲を出した無謀な侵攻。

女学校卒業後、軍に志願したソニアは騎兵小隊に配属された。
その小隊は最後の詰めとなる戦局で先陣を切りながらも、民兵のマスケット隊に足止めを受けていた。

そこで手柄を焦った小隊長の暴挙、弾幕の隙を作るべくソニアを含む新兵三名に囮役を命じたのである。

命令尊守と騎士の誉れを疑う事なく。

斉射の途切れを合図に拍車をかけ

吶喊!

若干先走ったソニアはちらと振り向き、後続の同期を確認、安堵…しかし同時に絶望。

小隊長と直属の騎兵が敵射程外ギリギリで馬を止めた!ソニア達新兵は捨て駒にされたのだ!
既に射程内、攻めるも退くも地獄、更なる不運が重なる。

マスケットの中でも比較的再装填の早い雷管式が、民兵にまで配備されていたのだ。

横隊こそ囮、建物や細い裏路地の伏兵。

弾道交差と市街地での跳弾まで交えた濃厚な弾幕。

そして的の大きい馬に火線を集めた落馬狙いの銃撃。

先陣を切るソニアが馬を撃たれ落馬。
不幸中の幸いか街路脇の花壇に突っ込み一命を取り留めながら、立ち上がる事ままならず。

成績も身長も年齢もギリギリで、小隊の誰よりも臆病だった少年、そんな彼の蛮勇は貴重だった。
一番乗りして見せるから一番乗りさせろ、などと涙目で吠えた。
彼は確かに一番乗りを果たした。
ただし馬に引きずられ石畳で顔を擦り潰されながら…である。

私達なら捕虜になっても、敵が男色でなければ陵辱の心配はない…などと憎まれ口を叩いていた女学校からの同期。
落馬した所へ転倒した馬に押し潰された。
男に乗るか乗られるかする前に馬に乗られて死んだ。

そして、ソニアが身体を起こそうとしている間に、二列目がマスケットを構える。
絶体絶命・・・
下腹部が熱くなり若干失禁したのを感じながらも、ソニアは死の臭いを確実に感じていた。

やられる!!・・・

失禁した下腹部とは逆に口はカラカラに乾く。
身体を低く構え、もう幸運を祈るしかないソニア。
死の臭いは確実に迫っていたのだ。

そのソニアの頭上を大きな火球が追い越し、目の前に迫るマスケット隊のど真ん中で炸裂・・・
大音声と爆風。
マスケット隊は吹き飛ばされ多くが肉片と化し、ソニアや生き残った騎士達も爆風でなぎ倒された。
何が起こったか理解する間もなく、ソニアはまた弾き飛ばされ草むらにダイブ。
またケツだけ晒す顔面ダイブだが、強固だけが取り柄のアイアンヘルムがきっちりガードはしてくれていた。
ヘルムに感謝するゆとりもないソニアの傍に、ゆっくりとした足取りの馬が飄々と現れる。

「いやぁ、間に合いましたかな」

同じく飄々と語るのは宮廷魔導師のドワサンと言う男だとソニアは見上げながら確認する。
かなり嫌味っぽく粘着質な男だと認識・・・少なくとも好きになれるタイプではなかった。
彼も従軍してたのだが、その性格から単独行動・・・もとい『見捨て』られていたのだ。
ただし、彼も一級魔導士の端くれ・・・
実力的には二級だろとツッコミが入ると言えど、高性能な移動砲台並みの働きはできるのだ。
故に敵マスケット隊のあった場所は地獄絵図であった。

飛び散った肉片がソニア達騎士の傍まで降ってきていた。
それはかつて、いやさっきまでの人間だったものだ。
ソニアの足元にも恨めしげに手を伸ばす腕だけが転がっていた。

喉から出かかった悲鳴だけでも抑えれたのは褒められても良いだろう。
股間の失禁の跡が大きくなったとは言え、それも非難されまい。
しかしこの騎士道とはかけ離れた『虐殺』と、それを飄々とやってのけたこの男・・・
胡散臭いと思っていた魔導師の真の実力(あくまで二流のドワサンだが)を垣間見て、ソニアは本能的に身震いした。

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