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傭兵の村
官能リレー小説 - ファンタジー系

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傭兵の村 7

出発の見送りの日は、レティシアは2人、ミランダさんとモモさんは1人ずつの赤ん坊を抱いて僕と母さんを見送ってくれた。
勿論、ミランダさんとモモさんが抱く子供は僕の種だ。
「早く帰ってきてね、私のお腹はウィルくんの種専用なんだからね」
ミランダさんは笑いながら言う。
もう5人以上産んだから男を選べるミランダさんは、もう僕以外とセックスする気はないらしい。
だからミランダさんとは毎日セックスしていた。
「私だってウィルくんならいつだって孕んであげるわ」
モモさんも笑ってそう言う。
同じく5人以上産んだモモさんは旦那さんと息子しかセックスしてないのだけど、僕ならいいらしい。
毎日のように僕の家に来てセックスしてたしね。

そして、僕の妻レティシア。
彼女が抱く子の1人は母さんとの種。
母さんは僕と戦場に出るから、彼女がその間は育てる。
そして、もう1人は残念ながら僕の種でない。
だけどこれは村の習わし。
種が違えど僕にとっては大事な子供だ。

少しでも稼いで、レティシア達や子供達を豊かにしてあげたい。
友達のジェフリーがあるとき、ふとつぶやいていた。
「うちの村ではHが自由なのが慰めだけど、僕は本当は大学に生きたんだ」
あいつは、僕がHしまくってる間も、傭兵訓練のかたわらこっそり勉強していた。
一足先に試練を終え、今は幼馴染のクラウディアと結婚して子供もいて、僕がこれから行く傭兵団に属している。


4日ほどの旅路。
ヴィントブルクの街にあるカーデン傭兵団。僕の村の者が多く属する傭兵ギルドだ。
「お前がウィルか。久しいな。このカーデン傭兵団に来たからには、期待しているぞ!」
団長のブライアン・カーデンさんは僕の挨拶を聞くなりそう言った。
この人も僕たちの村の出身で、小さい頃は時々鍛えてもらったり、叔父と甥のように大事にしてもらった。
「ウィルも良ようやく俺たちの仲間だな!」
「ジェフリー!」
ジェフリーと再開を喜び合う。
他にも、何人も友達が出てきた。

〜〜〜

「あれ?」
ここまで本を読み進めたところで、僕は違和感を覚えた。
「ウィルの生まれた村は、16歳になると【男女を問わず】傭兵として出稼ぎに行くはずだけど、レティシアが村に残ってる?」
レティシアが傭兵姿になったり、ウィルと一緒に戦闘したり、敵兵に敗れて犯されたり、お祝い事で味方兵と乱交する展開を期待していたのに。
納得のいかない思いから、冒頭を読み返すと……。
「【男は】16歳になると【男女を問わず】傭兵として出稼ぎに行くのが習慣である。……っておい!!」
1ページ目から矛盾した文が出てくる本と、店内でパラパラ読んだくせに気づかず買った僕自身に思わず突っ込んだ。
「……今日はもう寝よう」
読書用に点けていた小さなランプを消すと、ベッドに寝転がる。
僕の名は、フューチャ。200年前に活躍した傭兵ウィルに憧れている少年だ。
とても貧しい村に生まれたウィルは、16歳になると習慣に従い傭兵団に入り、戦場に出た。それから活躍を重ね、国や軍部から褒美を貰い、村を豊かにした。ウィルの生まれた村は、今では様々な産業が振興し【町】へと発展していた。

僕も、ウィルほどの活躍は出来なくとも、傭兵として出稼ぎに行くことで、自分の生まれた村を少しでも豊かにしたい。

そう、この村は、ウィルが生まれ育ったのとは別の【傭兵の村】だ!!

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