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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 57

「勝手に館から出てもかまわないが、安全は補償しかねるよ。君、名前は?」
「フレア・アルムーンと申します」
「ではフレア君、館から出るときは私と一緒に出るように、また森の向こう側に行こうとしないことだ」
「森の向こう側ですか?」
「そうだ。森を抜けたら、混沌の神の領域なのだから、迂闊に近づけば、どこに飛ばされるかわからないのだよ……」
「混沌の神?」
「君の世界には神はいなかったのかね」
「信仰はありましたが、領域とは?」
「この館は私が暮らしている場所、森の植物もなぜか館に近づかない。つまりは、私の領域と考えるとわかりやすい。しかし、森の中は植物どもの領域といえる。わかるかね?」
「神が実在するのですか?」
「神と呼んでいるが、他の呼び方でもかまわない。ただ危険なものなのは間違いない」
星詠みの巫女フレアはこの初老の男性と館で暮らすことになった。
「貴方のお名前を教えていただけますか?」
「ああ、これは失礼。私は風間義典だ」
「カザマ・ヨシノリ」
聞きなれない名前だった。
同時にフレアに流れ込んできたのは、フレアの知らない異文化の世界だった。
「五年に一度ぐらい、君らのように降ってくる者がいるが、無事に救助できたのは初めてだ」
風間はフレアを自分の世界の外国人ではないかと思ったが、話していて別世界の者だと知るとため息をついた。
「私のいた世界ではないようだ。我々はそれぞれ違う世界から来たらしい」
「そのようですね」
「私の世界では、神隠しと呼んでいた。ある子供が失踪後、十数年が経過してから戻ってきたが、その当時の子供のままだったという」
「未来に移動する?」
「あるいは過去かもしれないがね」
「カザマ、また別の世界に飛ばされる可能性もあるのではありませんか?」
「そうだな」
風間の推測をフレアは聞いた。
「私は森の向こう側に行ってみたことかある」
そこは漆黒の闇で、ふわふわと天地がなく浮かんでいるような感覚だった。
息苦しい。山の上のように空気が薄い。
頭の中に、何人もの声が響き渡る。
心臓をさがせ、心臓をさがせ、心臓をさがせ!
風間は恐怖を感じ叫び声を上げたという。
自分で何を叫んだかはまったく思い出せない。
風間が気がついたときには、館がすぐそばに見える草地に倒れていた。
「つまり混沌の神は、心臓をどこかの世界に落としてしまったのだろう。我々にそれを探させようとしているように思えるのだ……」

33
風間とフレアはやがて、そうするのが当然のように、抱き合いながら同じベットで眠るようになった。風間はフレアが現れるまで、孤独に耐えてきた。ただ一度だけ、あまりの孤独に耐えかねて、森の向こう側に行ってみたことがあった。
フレアは風間の心を感じ取る。
さらに、彼女自身もこの世界に風間と二人しかいないことのさみしさも感じた。
風間はフレアと激しく交わる男ではなかった。
お互いの体を優しく撫で合い、抱き合っているうちに、眠ってしまうこともある。
また挿入しても、そのまま二人は肌を密着させてじっとしている。孤独が癒されていく感覚をフレアは風間から感じ取り、体が溶け合うような緩やかな快感に包まれていた。
風間が萎えてしまう直前にだけ、フレアはゆっくりと腰を揺らす。また唇を重ねて、二人で舌を絡ませているだけで風間のものが萎えずに保たれていることもある。おたがいの息づかいやぬくもりだけで、じんわりとした快感が広がっていくのである。
二人でゆっくりと腰を揺らし始めると、二人の快感が一つになり、緩やかな大きな波に包まれていく。風間が堪えきれず射精する頃、フレアは絶頂後の余韻の中で風間の快感が流れ込んできて、また、びくっびくっと身を震わせて風間にしがみつき、風間もフレアを抱きしめて泣きたくなるほどフレアをいとおしく感じるのである。
時間をたっぷりとかけて、愛撫のみの夜を重ねあったあとの求めあう性交で二人は蕩け合うのだった。
風間が若くなく、連日射精して性交していては疲れ果ててしまう。またフレアも激しく責められるより、全身をたっぷりと愛撫されると風間の優しさを感じて嬉しかった。

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