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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 59

意識を失い、弛緩したフレアを植物どもが連れ去っていくのを、風間が血が出るほど唇を噛み締めて身悶えながら見つめていた。
他人の心や記憶、感覚ですら自ら望まなくても共感してしまうフレアは、絶頂の瞬間に自分が誰なのかわからなくなった。
風間がいた世界、フレアのいた世界、その他の世界のあらゆる性的快感が押し寄せてきてフレアの快感と同調したのである。
フレアの自我は崩壊した。
心臓をさがせ!
闇の中でフレアを覚醒させる声。
絶対逆らうことは許されない命令。
フレアの姿をした混沌の神の忠実なる下僕。
呪われた海域と海域どもに避けられてきた海で失踪したフレアは心臓を探す者として、風間の前から連れ去られてしまったのだった。
金狼のヴァレリアは、世界の狭間にある世界でフレアとして暮らし、カザマという男を愛し、快感に溺れ、心臓をさがせという命令の声にうなされて、真夜中に目をさました。その声は老若男女のうめき声や獣の咆哮などが混ざりあったような恐怖を感じさせる。
まだ金狼のヴァレリアは十歳である。
フレアという少女と出会った時、ヴァレリアは子供の頃に視た夢のことを思い出した。
それまで、思い出すことを無意識に禁じて、淫らな夢だったイメージしか残っていなかった夢の記憶が鮮明に呼び覚まされたのだった。
(この少女はもう一人の私になる者なのだ)
ヴァレリアはフレアに同情した。
宿命から逃れることは誰もできない。やがて消滅する寸前にヴァレリアとして同化して転生する宿命を与えられる者だった。
「大神官ヴァレリア様はいずれ、煉獄の大剣を手に強大な敵と戦う運命です」
フレアは預言してしまった。
ヴァレリアは目の前にいるまだ幼さが残る顔立ちの少女を真っ直ぐ見つめた。
混沌の神の心臓。
人は神の忠実なる下僕にすぎないのだろうか。
風間はフレアが小さな世界から連れ去られたのを追うために、闇に身をゆだねた。
混沌の神の心臓は世界に散らばり、魔獣ダンジョンマスターを生み出している。
散らばった破片を一つにするためにヴァレリアは魔獣ハンターとなった。
生まれついてのハンターといえる者であった。
七色魔晶石から召喚された少女。
帝都を魔都と化した皇帝。
各地のダンジョンマスター。
それらの敵から全ての魔晶石を奪還するまでヴァレリアの戦いは終わらない。


-完-


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