PiPi's World 投稿小説

堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 49
 51
の最後へ

堕落させまくりっ! 51

もし、魔獣ハンターがこの場にいれば、ダンジョンの特徴である壁に刻まれた古代文字を見て、ここから出るにはもうダンジョンマスターを討伐するしかないと言うだろう。
その石碑のような壁を見たら、覚悟を決めるしかない。それがない弱い敵がいる場所ならば、自力で撤収ができるが、それがある場所はダンジョンマスターのいる危険な結界内である。
引き返せない閉ざされたテリトリー。
エミルはそれも知らない。
エミルは、脱出経路が断たれているとすぐに理解して、退魔師シルファーの助力を得るために、来た通路を再び引き返すことにした。
王妃ディアナが発動できる瞬間移動の魔方陣は、皇帝が使う儀式の大広間にある。
残された脱出の手段はそれに賭けるしかない。
それには王妃ディアナと王妃を調教しているシルファーの協力が必要。
通路が変化していく。まるで迷路だ。
エミルは困惑しながらも、走り続ける。ためらっていれば命取りになりかねない。

29
幼子を抱いていたシスターの微笑が不意に消えた。細工師アゼルに我が子をあずけると、諜報員ハウエルと共に剣を手にして教会を出た。
異変を察知したシーラは、ハウエルに歩きながら声をかけた。
「お前の命の保証はしない。やばいと感じたら教会に逃げ帰れ」
久しぶりに聞く女騎士の口調。
物静かで余計な事は話さず、たまに子を抱いて見せる微笑が慈愛を感じさせ、教会の他のシスターたちから慕われている人物ではない本当の顔。
ハウエルは「ああ、そうするよ」と答えたが、お前が一番怖いと言いそうになり口をつぐむ。余計な一言で本当に斬られかねない。
港街はいつもと変わらぬ活気があり、市場通りには人が集まっている。平穏無事な光景である。
魔獣ダンジョンマスターには、ガーディアンとハンターから警戒されている力を分け与えた者たちがいる。むしろ、ダンジョンマスターよりガーディアンの方が手強いことがある。
魔獣ハンターはガーディアンと遭遇せずにダンジョンマスターのみ討伐できれば、目的を達成できる。ガーディアンは魔獣とは限らない。
銀狼と古来からのハンター種族の子。
それを守護する三人の人物。
母親にして女騎士のシーラ。
細工師のアゼル。
諜報員のハウエル。
この三人はガーディアンとなっている。
港街は始まりの国からの門としてゲートと呼ばれることになる。
魔獣ダンジョンマスターが、ガーディアンを必要とする理由は、ダンジョンマスターがテリトリーの外部に出られないからだという。
ダンジョンマスターがどのようにガーディアンを選び出すかは、ハンターギルドでも把握できてはいなかった。
魔獣皇帝が、ロクサーヌを凌辱して虜にした。神聖騎士団総帥ロクサーヌが王城では最強にして指揮官として最適だったのは間違いない。
港街では、教会に集まっていた三人は他の住人たちに比べて優秀な人材であった。
テリトリーのダンジョン化がなかった奇跡の街は、ダンジョンマスターがまだ乳飲み子であったことで生まれたのだった。



SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す