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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 50

「うへっ、うへへへ……」
牢の鍵をわずかに残る知恵で開いて看守たちが、媚薬の後遺症を抱える女たちの牢に入る。
エミルはすかさず、鍵で看守たちを牢に閉じ込める。鍵は内側からは開かない。中から看守たちと女たちが交わる声が響く。
王妃の特別調教室には、退魔師シルファーがいて調教中だ、王妃ディアナの安否はシルファーにゆだねるしかない状況であった。
女騎士シーラと同じ剣技、疾風の剣を使うエミルでも数が多すぎる敵を全員相手はできないと、逃げまわっているのである。
妖虫がどれだけ収容所にいるかエミルには把握できていない。ロクサーヌはその数を教えていなかったからだ。
妖虫たちの寄生方法は踏まれたり、叩かれて潰されることで皮膚に触れる。
それだけだ。
蛭のように血を啜るわけでもなく、寄生された瞬間は痛みすらない。
皮膚に触れるとその部分の皮膚に同化して寄生する。十数秒間、皮膚が紫色に変色するがすぐに宿主の肌の色に変化する。
エミルは混乱の原因が自分も産んだ妖虫だと気づいていない。
収容所の人間が急に理性を失って暴動を始めたという認識である。
牢の中で女を床に押し倒して、勃起を挿入した看守たちの肌を移動した妖虫は、性器の皮膚に到達する。そして勃起が触れて締めつけられている膣壁に分裂して移動して膣内に寄生する。
抱きついて触れている肌からも寄生する。さわられたら寄生される。
女騎士エミルは触れられることなく斬り、俊足で走り抜けていく。
エミルは寄生されていない。
妖虫に寄生されにくい体質。妖虫を孕み産んだ女性は妖虫はすでに寄生済みと判断するらしく寄生されにくい。
肌の下をぞわぞわと見えない小さな蟻のような虫がやたらとたかって群がって移動しているような感触。かすかな痒み。人は痒みには、痛みよりもずっと耐えられない。
また性器の皮膚に寄生された場合は快感が持続され続けている。
男なら射精までには達しない快感を与えられ続けられ、女性の場合は愛蜜の分泌が盛んになり、やはり快感を与えられ続ける。
全身を痒みが襲うか、快感で焦らされ続けるというわけだ。
他の者に妖虫をうつした直後は活動が緩やかになり、痒みの欲情は一時的に鎮静する。
痒みから逃れるには、ひたすら他の犠牲者を増やし続けるのだった。
また、性交しながらお互いの妖虫が皮膚を渡り交換される瞬間は、それがお互いの性器だとなおさら強烈な快感が与えられるのであった。
正気を保つ者が減っていく。
神が与えた快感を妖虫は利用して仲間を増やす。宿主か死亡して皮膚も死ねば妖虫も運命を共にする。しかし、エミルはそれを知らない。
全身の皮膚に増殖した妖虫人の群れは収容所を徘徊している。
エミルは寄生されないが、凌辱される危険にさらされていたのである。
エミルは、まだまともそうな囚人たちが異変に気づき牢の中で騒いでいるのを無視して地上に向かって走った。
収容所の異変を脱出して、ロクサーヌに直接指示をもらうことにしたのだ。
もしも囚人全員がまともでなくなってしまうならば、兵士を動員して事態の隠蔽を行わなければならない。また王妃の件もあった。王妃ディアナの消息が事態をおさめたあと確認できなかった場合、策士ロクサーヌしか対応できる者が帝国にはいない。
「……階段がない」
エミルは愕然とした。
地上階と地下階をつなぐ階段が壁で塞がれている。見慣れない黒曜石の石壁。

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