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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 37

女もファルが誤解しているのに気づいたらしい。着席せずに迷宮の中で危ないところを助けてもらったことを説明して、感謝していますと頭を下げた。
ファルが赤面してうつむいた。
「おたがい無事でよかった。礼ならもうもらったから気にしないでいい」
「夫婦水入らずのところ、じゃましてしまったみたいですね。失礼しました」
女はそう言ってテーブルから離れた。
女ハンターの服装は狩猟着だがスタイルは抜群。顔立ちも悪くない。後ろ姿をちらっと見たが、尻のあたりが歩くと揺れてセクシーだ。
ファルが一緒でなければ口説いていたはずだ。
もったいないことをした。
酒場を出て市場通りに向かう。
ファルの服を買うのもあるが、市場には武器や防具が売りに出されているので、それもチェックしたい。

21
魔獣ハンターたちが活躍する一方で迷宮にはマスターが存在している。
迷宮のマスターとは、迷宮をテリトリーとする魔術師である。
「魔獣の餌になるか、服従するか選びなさい」
妖艶な美女が、一段高い位置の玉座に脚を組んで座っている。
服装は踊り子の衣装や水着さながらの扇情的なもので、かなりの肌の露出である。
捕らえられたハンターの両脇には槍を手にした甲冑姿の魔獣が立っている。
武器も取り上げられて、女ハンターは玉座の前の大広間に引き出されている。
(こいつがこの迷宮のマスターね)
一つの迷宮には、一人のマスターが存在している。そのマスターのいる最下層には人に近い姿の魔獣がいて、マスターを警護している。
「答えなさい」
女ハンターは答えずに、破廉恥な服装のマスターを睨みつけていた。
「この迷宮の最下層まで来れるだけあって、肝はすわっているようね」
地上に近いほど弱く、最下層に近いほど通路は複雑に要り組んで、魔獣も強い。
マスターを討伐すれば、その迷宮の魔獣は魔晶石の寿命と共に消滅する。
マスターはその迷宮で最上級の魔晶石の化身であり、迷宮内で破壊されない限り魔晶石が自然消滅しないのは、迷宮がマスターの支配領域である結界内だからである。
マスターさえ討伐できれば、残された他の魔獣は劣化して弱体化する。
魔晶石が取り放題である。
安物の剣を手放し降服したふりをして、魔獣騎士に捕らえられたハンターは、マスターを討伐する機会を狙っていた。
目の前にマスターがいる。
左右の魔獣騎士に隠し持っていた呪符を貼りつけて停止させておいて、マスターに向かって残りの呪符を一気に放った。
呪符は鳥の群れのようにマスターに襲いかかる。どの方向にも逃げ場はない。
(やった!)
女ハンターが勝利を確信した瞬間だった。
呪符の一枚が魔晶石に貼りつき破壊する。他の呪符が目標物を失い、枯れ葉のごとく舞い落ちていく。マスターの姿は消滅した。
「幻影……」
「そう。でも気がついたのが遅すぎたわね」
マスターは女ハンターの背後から抱きつき、首筋に噛みつき牙を突き刺す。
女ハンターがマスターの腕の中から離されて、前のめりになりながら膝をついた。
首筋に小さな牙の傷跡ができていて、そこから細く血が流れて服の襟元を汚す。
(しまった、噛まれた)
傷口は小さいのにそこから全身に寒気が広がっていく。

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