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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 29

「私はそれを産む前に堕胎した。そして子を宿すことができない体になった」
「……」
「貴女はまた子を孕むことができる。今度は人の子を産むことができる」
ロクサーヌはそう言ってから剣を抜いた。
「それを貴女が処分しないのなら、私がそれを斬る。せめて産んだ母親の手で始末させてあげようと思ったが……私が甘かったようね」
「……わかりました」
エミルは樽の中に、眠っている異形の子を落とした。聖水の中に静かに沈んでいく。頬を伝う涙も中に落ちた。エミルは樽のふたを閉じた。
「あとは貴女が退魔師から祓いの儀式を受ければ、あれを孕むことはない……もう大丈夫」
うつむいて立ち尽くしているエミルを、ロクサーヌは抱きしめて言った。


17
後宮では、皇帝クラウガルドの乱行により媚薬の後遺症である発作を起こした女性たちを、退魔師が祓いの儀式で毎日浄化していた。
「毎日、ご苦労様ですね」
今夜は後宮でも特別な立場の者しか立ち入れない王妃と幼い皇子が暮らす宮殿に招待された。
退魔師に王妃がねぎらいの言葉をかける。
退魔師は媚薬を使われても男子禁制の後宮で欲情した女性たちに、アゼルの作った魔法の疑似ぺニスで相手をしている。
退魔師は興奮すると股間のクリトリスが勃起して肉棒のようになる以外は、容姿や声なども女性そのものなので王妃を含め、後宮の人々は退魔師は女性だと思い込んでいた。
王妃としては皇子を孕み出産すると皇帝との性交渉は避けていたので、その反動で他の女性たちを皇帝が弄んでいることに胸を痛めていた。
皇帝クラウガルドは性欲旺盛で、媚薬を使わなくても毎晩のように王妃の女体を求めてきた。それも、世継ぎを残すためと我慢してきたが、孕み産まれた子が男子だとわかると王妃は皇帝クラウガルドの夜伽をしなくなってしまった。
我慢の限界だったのである。
媚薬の後遺症で欲情の発作を起こした女性たちの治療と異形の子を孕まぬようにする祓いの儀式を同時に退魔師は行っているのだった。
発作が鎮静するまで、個人差がある。
さらに治療中に皇帝が手を出してしまえば、治療はふりだしに戻る。
したがって、退魔師はほぼ連日、後宮に参内するはめになっていた。
皇帝クラウガルドが意識不明でほぼ寝たきりとなると、治療は順調に進行した。
王妃は皇帝クラウガルドの病状を把握していたが、退魔師に治療を依頼しなかった。
皇帝が崩御すれば、王妃は貴族たちの令嬢たちを宮下がりさせるつもりであった。
皇子には同じような乱行をさせないと決めていた。それに皇子はまだ幼い。
「王妃様、全員の治療はできますが、彼女たち全員の口止めすることは致しかねます。そこで……」
退魔師はもし皇帝クラウガルドが崩御したら、喪に服すということで全員、神聖教団に出家させて世俗から離れた僧院で暮らさせたいと申し出た。
「それは良い考えです。私も僧院でシスターとして暮らしてみたい気がします」

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