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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 22

法術は技術であるという考えは、細工師アゼルと退魔師とは意見が一致する。
ただし、どこまでが合法で何が違法かという境界線については意見が対立する。
この三人が神聖教団の残った幹部である。
アゼルは星詠みの巫女と退魔師を従えて騎士団と合併する計画に賛同した。
帝国建国時は神聖教団と騎士団は同じ組織であった。マーター族を含むいくつかの民族は聖騎士として、獣人や他の宗教の術師と戦い、帝国への反乱の種を潰して地ならしをしたともいえる。
星詠みの巫女を騎士団諜報員ハウエルが堕とすには、媚薬を使ってレイプするという方法では難しい。アゼルは神殿の奥から出ずに暮らしている星詠みの巫女とハウエルが接触する方法がないか考えてみるが、アゼルが仲介すれば目立ちすぎる。
できれば、ハウエルとの関係をまだ隠しておきたい。アゼルは星詠みの巫女を罠にかけるため、ハウエルに星詠みの巫女の身の回りの世話をする侍女たちを堕とすしかないと教えた。
「退魔師の方を先に堕とすのは?」
「まず無理ね」
アゼルはそう答えた。
「……貴方が男の子を抱く趣味があれば、話が別なんだけどね」
「えっ?」
退魔師は両性具有の民族の末裔。星詠みの巫女に惚れていて教団に残った。
(両性具有の奴に媚薬は効果あるのか?)
ハウエルは退魔師の容姿について、アゼルにたずねた。騎士団総長バラドのような男だったら、見た目からハウエルは無理だと思った。
アゼルはあきれながら、ハウエルに退魔師の容姿について話した。
「よし、どちらも堕とす」
ロクサーヌは何を考えて、ハウエルのような男を自分にあずけたのか……アゼルは思わずため息をついて、ハウエルの顔を見つめていた。
ハウエルを神聖教団に派遣したのはロクサーヌではなく騎士団総長バラドである。
アゼルがそれを知っていれば、もっと警戒していたにちがいない。
「貴方、読み書きできる?」
「それなりには」
アゼルは神聖教団の牧師の認定証をハウエルに与えるかわりに、それらしく見えるぐらいには知識をつけなければならないとハウエルに分厚い書物の山を一週間で読破するように言った。
「この半分ではダメかな」
「騎士団に今すぐ帰る?」
「わ、わかった……」
アゼルの館で泊まり込みでハウエルは書斎で読書ばかりすることになった。
アゼルは手が空くと書斎を覗きに行く。五日目の昼すぎにハウエルが居眠りしているのを見つけた。寝ているとそれなりにハウエルは品行方正な牧師のような顔をしている気がした。
アゼルは隣に立って咳払いをした。
「うぅ、はっ、ご、ごめん!」
「よく寝てたわね」

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