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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 18

シーラが媚薬を使った妖術師の男に執着しているのは、あの男にまた抱かれたいからなのか、心で拒んでいたのに蕩けさせられた媚薬の秘密を知りたいのか、自分でもわかっていなかった。
毒薬使いの女アルマは帝国南方の砂漠の民で、今でも蛮族と呼ばれるマルガ族の女であった。
マルガ族と北方のマーター族は敵対関係にある。シーラはマーター族の末裔である。
ロクサーヌは逃亡中の男もマーター族滅亡に何かしら関連がある民族の末裔のためシーラが執着していると思い込んでいた。
帝国には服従しなかった民族と使い捨てられた民族がいる。
どちらも現在は国を失い末裔しか残っていない。
しかし、帝国の紛争の名残である民族の対立は辺境では今でも根強く残っている。
「マーターの小娘が、生意気に婿殿を捕らえに来ているが、どうしてくれようか」
海賊の中にもマーター族と敵対していた民族の末裔がいて、シルヴィアの父親もその一人である。マーター族は帝国を平定した皇帝に従い、いくつもの民族の小国を攻め滅ぼした。
シルヴィアは父親とちがい、他民族との混血児であり、シルヴィアはそうした民族の歴史や対立には過敏ではなくマーター族でも気にしない。
シーラがシルヴィアの父親を人質にするか殺害して、女海賊シルヴィアを誘き出すことを、海に沈む夕日を宿屋で見つめながら考えている。
同じ時刻に開店前の酒場にはシルヴィアの父親、海賊ギルディアスが女騎士を始末する計画を実行に移していた。

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開店前の酒場に連れて来られているのは、看板娘ファルと妻のマルエルである。
ファルの父親は宿屋の主人。
妻と娘二人を拉致して人質にしたのだった。シルヴィアの父親の手下どもは、やり方がえげつない。そうしろと指示したわけではない。
「親分、返事しだいではこの二人、俺らの好きにしていいですかね」
「その前に宿屋の親父の動きはちゃんと見張ってあるんだろうな」
「伝えに行った連中を残しときました」
猿ぐつわをされて、目隠しされた二人が不安げに男たちの前で、服を破られて、肌もあらわな下着姿で立たされている。
全裸に近い姿で外に逃げ出すには羞恥心があり、女性の場合は、開き直らない限り無理なことを、男たちはよく知っていた。
抵抗して逃げ出そうとすれば、男たちは容赦なく犯されるのが二人にはわかった。
服を破かれて、目隠しをしているから余計に見られている気がする。
女騎士に宿屋の主人はギルディアスを裏切って妻と娘を助けてくれと泣きつくだろうか。
ギルディアスなら無謀でも酒場に乗り込む。それなら三人とも手を出さずに逃がしてやろうとギルディアスは考えている。
指示に従うなら、それだけの男にすぎない。
裏切るなら制裁をくわえなければならない。
そのどちらでもなかった。
宿屋の主人は妻と娘を見捨て、一人で巻き込まれないように逃げた。
「最低だな」
ギルディアスはため息をついて酒場から出て行く。宿屋に向かったのである。
「さて、どっちからやるか」
酒場に残された男たちは、怯えながら、捨てられたことに動揺している二人に言った。
「表が出たら娘で、裏が出たら母親。それでいいな、野郎ども!」
場が一瞬、静まりかえった。
硬貨が床板に落ちる音がした。
「娘からだな」
母親がしゃがみこんだ娘を抱き締めた。
男たちが顔をみあわせて、ニヤリと笑うと母親の口枷の布を外してやった。
「お願い、娘に手を出さないで!」

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