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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 15

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「細工師アゼルが動いたか」
バラドはロクサーヌから報告を受けた。
神聖教団の大神官が失踪して不在であることを騎士団は離脱した元幹部たちを捕らえ、把握していたのである。
「俺を排斥する計画を自分で仕掛けて、それが順調に進行しているのは喜ぶべきなのか?」
「合併ではなく、教団を自滅させます」
ロクサーヌは策師でもあった。
大神官が不在のうちに組織を自滅させれば、宰相の地位にバラドが就任する日は近い。
「皇帝崩御の日までに教団の権威を失墜させれば、帝国は俺とお前のものだ」
教団の三人の重鎮たちを共倒れにする計略を仕掛けたロクサーヌだが、笑顔はない。
「皇帝の弟君の始末がついておりません」
皇帝の弟君は王宮を捨て、おそらく名を変えて潜伏している。それと大神官の失踪は何か関連があるとロクサーヌは危惧している。
「皇帝の弟君と大神官が戻った時に俺が宰相として、帝国を支配していれば問題ないではないか」
ハウエルが裏切るなら、エミルに始末させる。
ロクサーヌはバラドと共に帝国を奪う計画を進めてきたのだった。
ハウエルが裏切らずに帝国騎士団に従う犬であるならば、エミルを餌にとことん利用する。
離脱した教団幹部四人のうちの最後の一人を、冷酷非情な女騎士シーラが追跡した。だが、帝国領から逃げられたのは不手際だが、国外追放にしたと考えれば役目を果たしたともいえる。
神聖教団が自滅するのを妨害されなければ、元教団幹部を警戒する必要はない。
それが騎士団総長バラドの考えである。
エミルは現在、媚薬の後遺症の治療のために騎士団本部から離れている。
ハウエルには、エミルには別の任務で、本部から離れていると伝えられていた。
エミルを含め媚薬を使い犯された者たちは、強すぎた快感を思い出すだけでも欲情する。
さらに心がそのまま壊れてしまうか、薬と快感への依存を抱えても生き残れるか、特殊施設で監禁されて経過観察される。
監獄は、罪人を収監しているだけではなく、媚薬研究施設でもあり、治療施設でもある。
皇帝に媚薬性交で犯された女性たちは、後宮で暮らして一生を終える。
監獄で媚薬の試作品を作ることまではできた。それをバラドも自ら使用している。
かつての媚薬よりも後遺症や依存はひどくはない。神聖教団が媚薬を禁忌なるものとして禁じているので、監獄で密造されている。
バラドは皇帝に媚薬を酒として献上した。
その結果、皇帝陛下は現在は眠り続けているだけの生きた屍という状態である。
帝国樹立前後は媚薬は使われていた。
それを知った皇帝の命令により、過去の媚薬に近い模造品を作ったがバラドが忠告しておいたにもかかわらず、連日摂取し続けたにちがいない。
酒や煙草よりも媚薬は依存しにくい。
バラドが媚薬を使用するのは一ヶ月に一度。
何度射精しても勃起し続ける。
眠気や疲れを感じない。
効果が切れると脱力感がある。
そこで長時間の睡眠をとる。目がさめたら空腹が満たされるまで食べる。
そこで再び媚薬を摂取してしまうと脱力感は消えるが、体への負担は蓄積していく。
限界を越えてしまうと、意識を失い、一日にわずかな時間に目ざめる以外は眠り続ける。
寝ている間に自覚なしで排泄している。
マッサージされていなければ体中の筋力は衰えて、立って歩くこともできなくなる。
それでも媚薬を摂取すれば勃起して、快感に酔いしれるのである。
バラドは媚薬を与え、宰相の地位に就任させるという皇帝直筆の書状を手に入れた。
皇帝崩御後に書状を公表すれば、バラドは宰相の地位に就任できる。

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