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堕落させまくりっ!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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堕落させまくりっ! 13

もちろん、彼女の一族が魔法を使った発明品によって教団の利益に長年貢献してきたという実績があるからこそ許されている。
彼女を排斥すると被害が大きいため、放置されているといえる。
「帝国騎士団?」
侍女が来客を書斎に知らせに来た。
副長ロクサーヌではなく男性だと聞いて、アゼルは少し興味を持った。
「しばらく応接室で待たせて」
来客のプライドが無駄に高く、待たされて帰るようなら会う必要はない。緊急の用事なら侍女に緊急だと騒ぎ立てるはずだと、アゼルは来客の態度を観察することにしたのである。
どんな男性かと聞くと、痩せていて背が高く武芸に秀でた印象はないと侍女が言う。家事だけでなく、アゼルの護衛も侍女たちの役目だ。
「名前は?」
「ハウエル・ラウールという者のようです」
たしか、ラウールといえば鑑定師の一族だと思い出したが、それがどう騎士団とつながるのかわからない。商人がどんな用事だろう。
「押し売りなら帰らせて。たまに、遺跡から発見された埋葬品とか売りに来る奴もいるし」
「わかりました」
侍女がすぐに戻ってきた。
アゼルはロクサーヌの署名の入った書状を手渡されて、侍女を下がらせると中身を確認する。
読み終えると書状を焼いて処分した。


皇帝クラウガルドが体調を崩して意識がないが、表向きは何事もないように公表されておらず、宮廷会議では後継者も考えるべきだという意見が多数決にて決定した。三人の候補者がいる。
王妃。
クラウガルドの腹違いの弟。
王妃の産んだ幼い皇子。
この三人である。
王妃は皇帝クラウガルドとかなり年齢差がある。
まだ二十代後半である。
幼い皇子はまだ三歳。
どちらも新たに宰相の地位に誰かが就任、または後見役が必要。
クラウガルドの腹違いの弟は、王宮から出奔して消息を絶っている。
「現在、失踪中の者を王位を継承させるのは、どうかと思うが……」
バラドの意見も多数決によって無視される。
「誰が王位を継承するにしても、全員が揃わなければ話にならない」ということで結論を先のばしにしたい者が多すぎる。
時間稼ぎをしておけば、それなりに身の振り方を考える時間が得られる。だが、我こそは宰相や後見役にという者も出てこない。
失踪中の弟君が偽名で神聖教団に所属していたが、今は騎士隊長シーラが追跡中で、すでに始末されているかもしれない。
それをバラドは会議で言わなかった。
「皇帝陛下の体調を回復していただき、その後に後継者について決めるべきだ」
バラドはそう意見を出して、そちらは承認された。それは無理だと内心では思っている。
皇帝は媚薬を乱用した。
そして末期症状で意識をなくして寝ているだけの生きた屍のようなありさまなのだから。
媚薬は皇帝を絶倫にした。
数多くの女性と交わった。
しかし子は一人だけである。
理由は簡単。皇帝もバラドのように女性の膣内に媚薬を塗ったのだ。

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