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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 88

「僕に抱かれるのは、そんなに嫌?怖い?」
「いえ、そんな事は…」
「なるほど、バランに苛められた後輩を、助けられなかった自分が許せないのかな?」
全てを見抜く竜の眼差しで、豊は女を観察していた。
女官長は口を閉ざして、理由を明かさない。
が、そんな彼女の複雑に入り混じった感情の中に、確かにそんな影を少年は感じていた。

「王の僕が許すよ。女官は、自分を罰する権利はない。罰するのも、許すのも王の特権だ」
「おう、さま…」
ポロポロと女官が涙をこぼした。
20年近く宮殿にいて、同僚が陵辱される中で自分だけが無傷でいた負い目が、やっと開放されたのだ。
豊はそんな姿を見て、満足していた。
これでやっと、心置きなく種付けできる。と、考えていたのだ。

かなり、竜の価値観に汚染された彼である。人間心理を、化学反応のように扱っていた。
竜になりつつあると言っても、基本的な嗜好は人間のままだ。
本物の竜ならば、バランのように心に気を配ることなく女を貪る。
豊に言わせると、無粋で勿体無い行動だ。十人十色の味わいを理解せず、包み紙ごと食べる蛮行だ。

そんな人間的な嗜好を持つ少年は、処女が好きである。
未開封の、新品を開封する楽しさがあるからだ。
この鉛筆のようにお堅い女官長の、やたら捻くれた心の鎧を引き剥がすのも、終わってみれば楽しかった。
脆弱な心をさらけ出した彼女は、異様に可愛い。普段の堅い態度からは、全く想像不能なほどに。
胸を揉み、口付けで味わい、股を割り広げる。その度に、初々しい乙女の反応を示すのだ。

思えば、彼女のようなタイプは初めてだ。
尼僧院の熟女に近いが、彼女らは数百年の時を生きるので平均年齢が高く、肉体も衰えない。
それに対して三十路半ばで、老いの兆候がかすかに見え始める、普通の人間なのだ。
王宮と言う閉ざされた場所で、誰にも手折られることなく朽ち果てる運命の女だったのだ。
一言で表せば、嫁き遅れハイミス処女と言うべきか。

彼女は、突然現れて灰色の人生を打ち砕いてくれた解放者に、全てをゆだねていた。
完全に思考放棄した、狂信者状態だ。豊依存症で、豊中毒だ。
ミューゼの代言者が竜王から救済し、しかも王として罪を許すと言ってくれたのだ。
たったそれだけの理由からなのだが、それは、彼女の人生の拠り所だった。
信仰と女官の使命が、彼女の全存在を要求しているのだから、断る道理などない。

そんな訳で、一度崩れると後の変わり身は凄かった。
ニンフ顔負けの貪欲さと、媚まくりの痴態を見せてくるのだ。
豊の喜ぶまま、望むままにしようと、必死の創意工夫を見せてくるのである。処女なのに。
戴冠の時刻も迫っているので、少年は手早く終わりにすることにした。
名残惜しいが、今は我慢だ。また後日、ゆっくり種付けをしよう。
そう思いながら、どぷどぷと子宮に精液を充填する。

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