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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 85

何より、姫と遊ぶのは楽しい。
目隠しをして女の子を追いかけるのが、こんなに楽しいとは知らなかった少年だ。
新しい世界に目覚めた状態なのだ。傍から見れば、馬鹿殿様そのものだが。

異世界に来て21日目はこのように終わった。
少年は分身の様子を軽く確認して、いつもの様に加速修行をした。
分身はテレパシーを悪用して、入浴介護の看護婦に手コキとパイズリをさせ、なし崩しで本番に至ったという。
看護士の様子を確認してみると、しっかりと妊娠していた。
面白いので、豊は放置決定した。分身はどう反応するのだろうか?
夜は銀細工に興じた。ナリサさんに贈るブローチを作ったのだ。
ドワーフの的確な指導のおかげで、素人とは思えない立派な作品に仕上がりだ。
手渡しできる機会が来るかどうかが、疑問だが。

豊がドワーフ地下帝国の、竜神皇帝となる日がやってきた。
本人もびっくりの波乱万丈の展開だ。
借金返済のために種付け作業をさせられたと思ったら、実はそれは本来の目的ではなく、実力確認のためだったのだ。
金貨百五十万枚に相当するミスリル銀を、そんな目的のためにホイホイ供出する大帝国である。
本当に引き受けて良いのか?と思う豊だった。

ウダウダ悩む暇はないので、少年は皇帝のローブをまとった。
宝石が多すぎて一歩間違えば下品な印象になるのだが、ドワーフの匠の技で豪華で威厳に満ちた仕上がりになっている。
彼のために仕立てられたものなので、大きさはちょうどいい。

豊が玉座の間に現れると、水を打ったように静まり返った。
少年は玉座に座って、冠と杓を受け取ると、侍従長が竜神皇帝・遠藤豊の即位を宣言した。
後は、各国の大使による祝辞や、贈り物のやり取りが延々と続く。
かなりあっさりとしたやり取りだが、何しろ参加国が多い。
大陸全土の国や地域から、参列者が送り込まれているのだ。
名前の紹介で少年がミューゼの代言者であることは、殆どの者が気付いていた。
気付かないほど世情に疎い者は、外交官失格である。

「ふん、こんな人間の子供が皇帝か。蟻人間のドワーフにお似合いだな」
外交官失格の男が居た。エルフの王弟だ。
豊は魔法で消し炭にしてやろうかと思ったが、かろうじて我慢した。
一応は、エルフの代表だ。いきなり殺すわけにも行くまい。
それからも、折に付けエルフの暴言は続いた。

首を刎ねろと命じそうになったのは、片手の指では数えられない回数だ。
少年は心の中の仕返しリストの筆頭に、エルフの一族を書き記した。

戴冠式の後は、昼食会、茶会、晩餐、舞踏会と行事が目白押しだった。
竜仕込みの礼儀作法で、少年は華麗に振舞った。
その姿は、生まれ付いての貴公子としか思えない。
四年間の加速修行がすごいのか、騙しきる少年がすごいのか、どちらかは不明である。

少年が女好きな事を見抜いたのか、大使たちはこぞって娘や妻を紹介してきた。
豊としては、興味深いが嬉しいと言うほどではない。

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