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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 83

地下は昼夜の区別が無いので、3交代制の24時間体勢で工房は動いている。
深夜にもかかわらず、フル稼働しているのがドワーフの工房なのだ。
追い出された職人達は、特に怒る事も無く退去してゆく。
臨時の酒盛りをするつもりなのだ。

工作は予定より早く7時間程度で完了した。作りなれた分、作業がはかどったのだ。
それぞれの領域の象徴となる宝石を嵌めた指輪が、四百個ずつ7種で2800個。
侍従に手渡しして、姫に配布するよう手配済みだ。

七姫の指輪も、豊が自らの手で仕上げている。
もちろん、エリルを始めとする全員分の細工物もできている。
これは、分身と豊が手分けをして作った。
製作時間も経験も足りない簡単な作品だが、贈る相手の好みや性格に合わせた、心のこもった作品ばかりだ。
短時間に、よくもこれだけと、自画自賛しても良いだろう。

「お疲れ様、それで、どんな能力を望む?」
報酬の能力について相談する。
ほんのささやかな能力だが、完全に一般人の分身にとっては強力に感じるはずだ。

魔法は却下。魔力の薄い世界だから、補充なしの使い切り能力になってしまう。
念動力も不要だった。体力さえ戻れば、武術の経験があるので暴力は不要になる。
透視、遠隔視も駄目。地味すぎる。着替えを覗くのに便利だけど。
テレポート。使いどころが難しくてホイホイ使えない。
透明化。使用中は網膜を光が素通りするので、視覚が断たれて使い難い。目玉だけ不透明にできるけど、バレる。
物質透過。念動で飛べないと、地底に垂直落下してしまう。使用中は呼吸もできない。
過去視、未来予知。未来予知は強力すぎる。アカシックレコードの不用意な閲覧はしないと決めた、自分ルールにも反するし。

結局、残ったのはテレパシーだった。
意思の伝達が基本だが、相手の考えを読むことができる。
嫌がることを強制できないが、好感を持っている相手の理性を外してエッチする程度の事はできる。
催眠術を少し強力に、お手軽に使える能力と言えば良いだろうか?

自分の分身ながら、陰湿で良い選択だと少年は思う。
テレパシーで相手の好みを読めば、ギャルゲーのように女の子の心を鷲掴みできる。
まぁ、程々に頑張れと、豊は思った。
分身がムフフなイベントを体験すれば、感覚共有できる自分も嬉しい。
近いうちに尻拭いが必要になりそうだけど、それに見合う楽しみは得られそうだ。
と、エロ方向に思考が傾きすぎの少年である。他に活用法を考えないのか?

目覚ましをかねて、豊は朝風呂を浴びることにした。
事前に侍従に命じて、労働ドワーフの進入は禁止してある。
生物学的にあえて分類をするとすれば、労働ドワーフは雌と言えなくも無いのだ。
何かの間違いで奴らを抱く羽目になったら、違う世界に目覚めそうだ。

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