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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 82

エリルに渡したら、絶対にアリスも欲しがる。
教母のゼリアも多分、欲しがるだろう。
そうなると噂を聞きつけた村のテレサや、他の嫁さんたちも黙っては居ないと思う。

「…全員分作るか」
悩むなら全部と言う、豪快な思考方法がすっかり根付いた少年だ。
ミューの分も必要かなと考える。
彼女は暴れてばかりだから、壊しそうな指輪は止めて、腕輪か何かにしようと考える。

「そうなると、ついでにナリサさんにも贈りたいなぁ」
かなり節操の無い少年である。
しかし、指輪はさすがに問題あるだろう。旦那の居る身だから。
それでも結婚指輪を投げ捨てて、豊の指輪を嬉々として身につける光景が目に浮かぶ。
やっぱりまずい。嬉しいけど駄目だ。
ブローチ辺りが無難かな。竜をモチーフにして、瞳にはガーネットを嵌めよう。

「そういえば、姫ドワーフはどうしよう」
七姫+2800名の大集団である。
明日は皇帝になることだし、なにか贈り物を用意すべきだろう。
夏休み最終日に、手付かずの課題の山を発見したような気分だ。

怯んでいる暇は無い。せめて、七姫の分は作らなくては。
竜時間での工作は無理だ。
あの世界では、自分以外の物体は異様に脆くなる。
訓練をすればできるかも知れないけど、加速に耐えれる工具が無いから無理だ。

「出でよ、豊Mk.2(マークツー)!」
少年は、現実世界の身代わりに作り上げていた、自分の分身を召喚した。
記憶と経験以外は、何も特殊な力を持たない存在だが、指輪作り程度なら十分助けになる。

「う、うわ、なに!?」
「何も言わずに、手伝って。朝までに指輪を2800個用意する」
「都合の良い時だけ呼び出して、今日一日どれだけ大変だったか…」
「皆まで言わなくていいよ。全部伝わってきてたから。手伝ってくれたら神通力を少しあげよう」
弱った体に精気を与える。
いきなり太ると戻した時に騒ぎになるから、痩せたままにする。
20日間断食したと言う設定なので、死にそうなほど痩せているのだ。
精気を与えたから、食事すればメキメキ回復するはずだ。

説明する時間も惜しいので、30分ほどの銀細工製作の記憶を植え込む。
作業時の心理状態も植え込まれるので、指輪が必要だという結論に至った理由も伝わった。
Mk.2は、作業に協力することを渋々同意した。

彼にしても、姫ドワーフを抱いた経験を覚えているので、指輪を贈るのには賛成なのだ。
ただ、七姫は味わっていない。彼が作られた後の経験だからだ。
戦力は倍になったが、それでも人手が足りない。
ドワーフの手を借りる?駄目だ、不公平になる。それなら全部依頼するほうがましだ。

一つ20分で仕上げても8時間で24個。二人で48個だ。
必要な人数はあと百人は必要だと計算した少年は、魔法を使った。
魔法を浴びて、財宝室の金塊が動き出す。純金豊X百体である。

工作室は、豊の分身に占拠された。

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