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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 81

大富豪に嫁ぎ、夫が老衰で死亡した後は、商会を手土産に教団に復帰した半竜だ。
商会の財力と信用力を背景に、ミルク流通の仕組みを立ち上げたと言う。

伝説的な女傑なのだが、半竜なので現役だ。そしてムレムレの熟女である。
一発犯りたいと、少年の中の竜の本能が喚き立てる。
さすがに今、そんな愚行を犯して貴重な協力者をなくす訳にも行かないが。

「教団に専売権を渡す方が効率的ね」
召喚されて計画をざっと聞いた、教団金庫番のヘレンは言った。
大陸全土の教団支部を拠点とするほうが、効率が良いと言うのだ。

「もちろん、利益率の高い特定品目については、ベリス経由でも宜しいかと思います」
ベリスに全面依存すると、取引できる貨物の上限が物理的に決まる。
だから価値の低い日常品は、今までどおりの取引場所で、相手を教団に替える。
ベリス経由と比較にならない取引量なので、収益も格段に上がる。
物資移動の手間と費用もかなり減る。
竜王国を主体に考えていた豊たちにとって、目から鱗の案だ。

「それだと、教団の風当たりが激しくなりそうだね」
「物理的な障害は、教団専属の神罰執行機が居ますからね。問題になりませんよ」
女の発言を聞いて、豊は恐ろしく計算高い女だと舌を巻いた。
確かに教団の脅威が現れれば、本能的反応でミューが排除するだろう。
実際に、教団のキャラバンが何度か救われているという。

竜王国の財政再建計画が、いつの間にか教団財政再建に成った感もあるが、修正案でも王国の収入は大幅に伸びるだろう。
むしろ、修正案のほうが総合的に見て利益が大きい。
帝国も王国も教団も収益が伸びる。
ヘレンの案を採用するのが一番よさそうだ。
その影には取引相手を失って、涙をのむ商人が居るだろうが、知ったことではない。
ボッタクリだったから、専売権の設定を思いついたのだ。
公正な取引をせず、暴利をむさぼっていたのが悪い。

「傭兵を雇う手配をしてもらえないかな?」
竜王国の軍事再建は時間がかかりそうなので、傭兵団を雇って一時しのぎをしようと思い立つ。
懸案だった予算の問題は解消したので、あとは声を掛けるだけだ。
ヘレンが護衛の伝で知り合った傭兵団があるというので、仲介を依頼した。

一通りの懸案が解決したので散会して、瞑想修行を開始する。
ベリス到着以降休んでいたから、まるまる10日サボっていたことになる計算だ。
剣の村の経産竜たちと、念話の世界で会うのは久々だ。

今日の修行は、明日に備えて宮廷での作法を学ぶことになった。
竜の教え方は容赦ないので、四年分の付け焼刃でも大いに助けになるだろう。

修行を終えて、少年は銀の指輪作りに没頭していた。
ドワーフの工作室の端を借りて、作業をしているのだ。
ドワーフの国宝級職人が、付きっ切りで教師役を引き受けている。
なんとも贅沢な学習環境だ。
竜の教育は多岐に及ぶが、銀細工を習ったことは無かったので面白い。

出来上がった指輪は、誰に渡そうかと豊は思案した。

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