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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 9

震える身体を何とか動かし、男の攻撃を受け止める。
その光景を笑みを浮かべ見つめる女。
(殺しを嫌がっていたあの男を、こうまで変えてしまうとは…やはりあの魔法、使ってみるものだな…)
女の笑みに男は気付かず、野獣じみた笑みを浮かべた。

「オラオラオラ!どうした。守ってばかりか!」
「っ!」

振り下ろされる鉄塊のような剣を辛うじて剣で受け止める。
アカツキが良質の剣だから良かった。
並みの剣じゃへし折れてもおかしくない威力。
しかも、それが途切れなく絨毯爆撃のように振り下ろされてくる。
それでもまだ遊ばれていていた。
腕の差ともいえない、圧倒的なまでの力量の差。
異世界から召還された、一般学生では覆せない。…筈だったのだが。

「龍態」〈ドラグム>
少年がポツリと呟く。

それは、竜神の剣に刻まれた銘と同種の、力あるコトバだ。
盾の腕輪に込められた力を吸い上げ、エリルの鱗で作られた鎧を触媒にして彼の体を作りかえる古の魔法。
体に流れ込んだ竜の精気が、遠藤豊という存在を分解し改変し再編してゆく。

一瞬後に現れたのは、特撮ヒーローのような鎧に身を包んだ龍人だった。
「蜥蜴に変身しても、無意味…」
赤毛男が叫びながら追撃を加えてくる。
人間の基準であれば、その剣速は達人級のキレを誇るものだ。

しかし、刹那の永劫に目覚めた龍の前では、全くの児戯でしかなかった。
数百万倍の時間流に意識を切り替え、ゆるやかにアカツキを振る。

竜の時間で動く世界は、とても脆く繊細である。
名刀アカツキが紙粘土で作った剣で、人体はガムテープでダンボールを継ぎ接ぎして作った人形みたいな物だ。
力任せに振らず、能楽の舞のように動かなくては剣が粉砕されてしまう。
肩、肘、股関節、膝などの関節を撫で斬りして解体するつもりが、音速を超えた剣の衝撃波で爆砕されてしまう。
首を落とさずにじっくり苦しめるつもりが、ミンチ肉の即死状態だ。

「ひぃぃ!こ、殺さないで!」
黒ローブの女が失禁しながら命乞いする。変わり身が早い女だ。
「殺さないよ。俺は、牝には優しいんだ。タップリ子種を恵んで、孕ませてやる」
どちらが悪役なのか、良く判らない展開になってきたようだ。
豊少年は、竜身変化の副作用で鬼畜モードに移行しているらしい。

「嫌ぁ〜〜!犯さないで!!」

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