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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 77

既に手配している相手と、うまく話をつけるように命じる。
家事用ドワーフも実戦投入する。かなり働き者だ。

彼らの様子を見ながら、ドワーフ派遣業を始めたら、鉱山経営より儲かるかもしれないなと、少年は思った。
筋肉だけかと思いきや手先が器用だし、細やかな気配りも見せる。
酒好きなのは欠点だが、陽気で気の良いやつらだし、生殖衝動も存在しない。
犯した犯されたの揉め事が起きないのは、家事派遣業で大きな利点だ。

お茶が冷めていたので、新しいものに換えてもらう。
官僚長に念話で皇帝の即位予定を連絡した。
ついでに、王国から葬儀へ参列する予定はどうなのか聞いてみる。
官僚長が、竜王代行として参列するとの事だった。
バランの葬儀と、豊の即位予定が決まったら知らせるよう命じて、念話を切った。

それにしても、竜王に即位したら、ハグレ竜の挑戦者が来るのだろうか?
豊が人間と見なされたら、今までの例に倣うなら次々に竜が飛んでくるだろう。
探して倒しに行く手間が省けるから良いけど…。
アンドレアに、竜に不穏な動きがあれば知らせてくれるように頼んでおこう。

豊は茶菓子をつまんで、ほっと一息ついた。
当面の懸案は多分、片付いただろう。
教団関連の仕事は、搾乳奴隷解放の後にすれば円滑に進みそうだから、今は放置しよう。

紅茶の香りにうっとりと力を抜いていると、突然目の前が光った。
座っていた椅子が消えて、盛大に尻餅をついてしまう。
神の能力を使えば尻餅をつく事はないのだが、少年はあえて人間として振舞うことを自分に課している。

豊は、山羊頭の悪魔姉ちゃんの隠れ里に召喚されていた。
ミューゼが信者を説得した時の、エキストラ料を請求するために呼び出したらしい。
召喚拒否もできたのだが、ちょうど暇だったし、踏み倒す積極的な理由も思いつかなかった。

「我を呼び出して何を望むか?」
ちょっと気取って、魔神風にしゃべってみる少年。
山羊姉ちゃんの信者へのサービスを兼ねている。
見た目が少年だが、巨大ダイヤの装身具と貴公子然とした格好のお陰で、それらしい雰囲気だ。

「わが民に、繁栄の祝福を」
ざっと百人以上の村人は、全員若い女性だった。
まぁ、半ば予期していたかもしれないが、そう言う事だ。
少年は深いため息をついた。

「どうしてこんな事態に?」
「一族の繁栄を祈られての」
魔神の言うには、繁栄=子沢山ということで、村人を全員女性化する範囲型の呪いを掛けたのだという。
それから孕ませようとしたが、うっかり自分も女性化していたという。
最後の詰めが甘いが、途中まではいかにも悪魔的な行動だ。

「中身が男は嫌だから断ります」
「四百年前の呪いだから、世代は入れ替わっておるぞ。全員生まれた時から女だ」
それなら、少年としても異存は無い。
この世界に来てから毒されて、モラルとか慎みという言葉がすっかり消え去っている。

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