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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 76

「あとは、搾乳ギルドを潰す」
そう言うと、少年は加速時間の仮想会議場を作り出して、官僚長と他の経産竜官僚を召集した。
そして、ギルドの人員配置などの情報を、経産竜官僚に伝える。
神の視点で調べた、暗殺者を養成するスカウトや、末端の構成員に至るまで全情報が網羅されている。
摘発の詳細な計画立案は、官僚団に任すことになった。
組織の全貌は明らかだから、摘発は簡単に行えるはずだ。

「ギルドの搾乳奴隷は、教団で預かってあげて。還俗の手伝いも積極的にしてあげて」
「種付け士や搾乳士は如何しますか?」
「王国軍の兵士として雇うように。半竜は身体能力が高いから、給料三倍でも良いよ。嫌がる人は、自由にさせるように」
乳奴解放令の原型が定まった瞬間だった。
電撃的なギルドの摘発と奴隷の解放で、豊の反救世主の汚名は完全に払拭される事になる。
国外の搾乳ギルドも、ミューの神罰遂行で上層幹部が壊滅し、消滅する。
だが、その全てが始まるのは、もう少し先のことだ。

「内政と国際関係は現状維持。戦争を誘発しそうな隙は、絶対に見せないこと。改善事項はレポートを纏めて」
突発的に竜王を倒してしまったけど、これで良いだろうかと心配になる。
優秀な官僚が居るはずだから、当面は任せてみようと思う少年だった。

「あと、誰かお茶の用意をしてくれないかな?竜王の遺体も処分して」
左の集団から、何人かのメイドが進み出てきて案内してくれた。
彼女らも、傷跡が見当たらなかった人材だ。

有能だからなのか、竜王の好みではなかったのか。あるいは、両方かもしれない。
控えめな胸のサイズとか、その辺りに共通点が伺えるのだ。
無事だった理由は、薮蛇になるから聞けないなと、少年は思った。

「うわ、気の滅入る部屋だな」
案内された休憩室は、竜王の趣味なのか毒々しくて気味が悪い。
内装変更にかかる費用の見積もりと、自由にできる王室費の額を知らせるように、メイドに伝言させた。
誰か適当な相手を見繕って、相談してくれるだろう。
部屋は下品だが、用意されたお茶と茶菓子の味は申し分ない。

豊はお茶を飲みながら、今後の予定を考えた。
地下帝国の皇帝と竜王国王に即位か。
帝国の方は、ドワーフに日程を知らせて貰わないと駄目だな。

すぐに帝都に転移して、侍従に話を聞いた。
即位は、明日、明後日にでもという話になった。
皇帝の葬儀も同時に行うので、早朝には来て欲しいとの事だ。
葬儀は崩御後一週間経っているから、急と言う訳ではないのだろう。
話のついでに、家事仕事のできるドワーフを1ダースと、内装と改装のプロを用意してもらう。
豊は、集まってきたドワーフを伴って王宮に戻った。

内装見積もりの伝言を命じたメイドを捕まえて、改装担当のドワーフと引き合わせた。

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