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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 75

バランがそれに気付いていたのかどうかは、今となっては判らないし知る必要も無い。
いずれにせよ、目の前に牝が居るのに抱けない能無しだ。

冷静に考えれば、珠を守る集落でもある以上、経産竜が監視するのは必然だといえる。
歴代王家では、複数の経産竜が交代で官僚団のトップを務めていたようだ。
他にも官僚に竜がまぎれているのは、間違いないだろう。
種明かしすれば、単純な秘密だった。

「地下帝国の皇帝即位が内定してても、竜王になれるのかな?」
「え?…」
少年はネックレスのダイヤをコツコツ叩きながら、皇帝の権威をアピールした。
バランの死にも顔色を変えなかった女性官僚が、呆気にとられた。

「ぜ、前例はありませんが、恐らくは可能かと」
「それなら運営方針だけど、まずは、城内の女性を集めてもらえるかな?」
豊の命令で、城内の女が全員集められた。
竜王を殺した少年に、何をされるのかと皆がビクビクしている。

「そんなに怯えないでほしいな。痛めつけたり、傷つけるのが目的じゃ無いんだ」
少年は、顔に酷い火傷の跡のある女性に手を翳して、癒しの奇跡を施した。
他にも手当たり次第に奇跡を発動してゆく。
しばらくして、陵辱による傷や傷跡が全て癒された。
思いもかけぬ奇跡に、女性たちは喜びの涙を流している。

「帰る家のあてのある人は右に、無い人は左に集まってくれるかな」
ほとんどが左に集まった。
どちらに行くべきか、迷っているものも多い。

「よくわからない人は、左の集団に」
そういうと、残りも左に集まった。
おそらく彼女達は、搾乳ギルドに拉致されて王宮に来た女性たちだろう。
実家が帰れる状態なのか、近況を知らないのだ。

「右の集団は、退職金を受け取って家に帰って下さい。残りたい人は、居ないよね?」
少年は、官僚長に退職手続きの窓口と職員を用意するように命じた。
右の集団から何人かが、窓口役に指名された。
その人たちには怪我や陵辱の痕跡がなかったから、彼女たちは側仕えではなく官僚なのかもしれない。

「左集団は、当面はミューゼ教団の保護を受けてください。日常生活に戻る助けになるはずです」
官僚長に、教団に交渉するよう頼んだ。
孕んだ女性を引き取ってもらう窓口を使えば、交渉はほとんど要らないはずだ。
ミューゼの代言者の自分より、王国官僚が影響力があるのは皮肉だが、竜王都の神殿は守旧派なので豊は近づけない。
守旧派でも、教団の性格からして断られる事は無いだろう。

「全員を解雇なさいますと、王宮の運営に支障が出ますが…」
「王宮に良い思い出が無いだろうからね。残すのは可愛そうだ」
少年の配慮で、新しい側仕えの採用公募がされることになった。
憂鬱になるから、竜王に苛められた人達を残したくないと言う本音も有る。
新しい働き手が集まるかどうか不安だが、いざとなればドワーフを呼び出そう。

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