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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 70

皇帝にならないとしても、特典の内容は見てみたい。土産話になりそうだからだ。

「まずは大浴場ですぞ。ドワーフがこぞって体を洗ってくれますぞ」
「ブルルルル!いやだ、筋肉だるまに体を洗われるのは嫌だ!」
生物学的に無性、強いて言えば女性と言っても、筋肉に囲まれるのは嫌だ。ご免こうむりたい。
大食堂なども案内してくれるが、もれなく筋肉奉仕付だと言う。

「最後が、大金庫室。色々財宝を溜め込んでおります」
「何と…」
少年は絶句した。そこにあったのは、金の延べ棒の山脈だった。
総額でどれだけになるのか、想像が付かない。
地上に流通させたら、貨幣経済が一発で破綻することは間違いない量だ。

「ほかにも部屋はありますぞ」
金塊部屋は、幾つもあった。銀塊やプラチナを蓄えた部屋も数え切れない。
驚いたことに、ミスリルやオリハルコンの延べ棒まで存在していた。
さすがに、それらの貴重なレア合金は量が限られていたが、それでもミューを数千体は作れそうな量だ。

「こちらは宝石部屋ですぞ」
豊は誘惑に負けた。ドラゴンの本能が、それを欲しがっていた。
天井まで積みあがった、ダイヤに、ルビー、サファイヤなどの輝石の山だ。こぶし大の物もゴロゴロ転がっている。
天辺でトグロを巻いたらさぞかし気持ちが良かろう。
無意識のうちに、完全に少年の思考形態が竜そのものになっている。

「大丈夫ですか?」
白雪姫の小さな手のひらで視線を遮られて、豊は正気に戻った。
危ない、完全に意識を持っていかれていた。でも、あれはいい物だ。欲しい。すごく欲しい。
と、すぐに少年は意識を捕らえられる。

「あ、ありがとう。すごく…驚いた」
少年は、全力で宝石の魅力に対抗した。視線を合わさないようにしても、耐え難い誘惑を感じる。
いくら神のような力を得たと言っても、対抗しがたい力があるのだと思い知った。

「皇帝、引き受けます。全部貰えるんですよね?」
「無駄遣いは控えて頂きたいですがな。あと、神威執行の際には便宜を図っていただきますぞ」
「それくらい問題ないですよ。眺めるだけで十分、無駄遣いなんてとんでもない!」
歴代の神威執行者を、罠にかけてきた財宝の魔力は健在だ。
少年も、すっかりキラキラピカピカの虜になっている。

動こうとしない少年を、お土産を持たせてやると、巨大ダイヤを手にした侍従が誘導した。
ダイヤの抗い難い魅力に、フラフラと少年は付いてゆく。
金細工工場で、ダイヤをぶら下げる為の鎖と台の作成を依頼すると、侍従は本題に戻った。

「では、七姫達に子種を注いでいただけますかな?」
豊に異論はない。すぐに白雪姫の手を引いてベッドルームに戻った。
まずは、キスから始める。姫ドワーフ相手のキスに慣れている豊は、的確な舌使いで少女の官能を引き出した。
ぷはっと唇を離す頃には、すっかり姫の表情が蕩けきっている。

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