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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 63

「竜の神器を集めているだろ?だから巡礼だ。ドワーフは神器を作る手伝いをしたから、神威執行のカラクリを知っているんだよ」
ドワーフの挨拶に失礼な感想を抱いたが、顔には出さない。
神威執行のカラクリを知っていると言う事は、金を貸したのも恩を売る狙いなのだろう。

「さてさて、このゴーグルを装備して、トロッコにお乗りください。女皇陛下の元へご案内します」
「後は任せて、私は帰らせて貰うとしよう」
豊はトロッコに乗せられた。
本当にこの小さな荷車で、地下帝国の本拠まで移動できるのだろうかと不安になる。

「では、出発しますぞ」
「どぇぇえぇ!!」
少年の不安は、嫌な形で裏切られた。
トロッコは、早かった。超早い。ジェットコースターなど比べ物にならない速さだ。
これなら、何百キロ先だろうが数時間で到着するだろう。

「力を抜きなされ。脱力せぬと重心が高くなって脱線の危険が高まりますからの」
「は、はぃぃぃ」
慌てて力を抜こうとする豊。
しかし恐怖のあまり、簡単に脱力できない。
そんな感じで数時間後に地下帝国の帝都に到着した。

「こ、怖かった」
豊は、小便をちびりそうになっていた。

「ここから百mほど歩いてもらいますぞ。さすがに玉座の間にトロッコを直通させられませぬからの」
帝国の鉄道ダイヤを大幅に乱して地上から直行したトロッコも、レールの無い場所は通れない。
ドワーフは腰の抜けた少年を先導して進んでゆく。

「…老婆?」
「これ、女皇陛下に失礼であるぞ」
案内された部屋には、ミイラのような老婆が居た。
帝国の女皇帝らしいが、本当に生きているのだろうか?と少年は思った。

「……」
「女皇陛下は、良くぞいらっしゃった巡礼者殿と、仰せであらせます」
「お招きいただき、有難うございます」
どうやら存命のようだ。
それから女皇帝と豊はしばらく言葉を交わした。

「ご臨終です」
診察したドワーフ医師が宣告した。医師の宣告通り、地下帝国の女皇帝は崩御していた。老衰死だ。
思わぬ展開に、豊は目を点にしている。

「あの、借金の話は誰にすれば…」
「それに関しては、これらの姫を孕ませていただこう」
侍従が合図すると、小人達の手で七つの水晶の棺が運び込まれてきた。
ミューの入っていた棺といい、今日は棺に縁のある日だ。
いずれの棺も、小中学生位の女の子が入っている。

「白雪姫?」
「何故、姫の名を…!」
水晶の棺に眠る姫と小人、見たままの感想を漏らした少年に、驚愕した侍従。
偶然だと思うが、姫の名前が正解らしい。
侍従の紹介によると、白雪、青雪、赤雪、黄雪、緑雪、紫雪、闇雪の七名の姫様たちだ。
山岳地帯、東西南北の四方、中央、大深度領域の七つの領域を統治する女王の直系だとの事だ。

「この七人を孕ませるのが任務ですか?」
「それは、ほんの手付けですな」
侍従の案内に従って移動すると、体育館と同じくらいの広さの地下空洞に、美少女がひしめいていた。

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