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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 61

「で、骨格はミスリル銀で作ったんだけど、時価総額で金貨百五十万枚相当。少年の名前でドワーフから前借した」
「なんて事するんですか!」
「これでもお友達価格で、有り得ない位の安値だぞ?」
金貨の貨幣価値は十万円くらいなので、日本円に換算すると千五百億円。イージス艦が楽に買える値段だ。
とても個人で返済できる額ではない。

教団に借りるのも無理だろう。
規模はそこそこ大きいが、貧乏教団だから絶対に無理と断言できる。
せいぜい金貨千枚とか二千枚だ。教団が潰れるくらい絞っても、一万枚程度だろう。

「どうするんですか、そんな大金。返すあてなんて無いですよ」
「返すあては用意してるぞ、少年。ドワーフ達と話はついている」
「どうせ、ろくでもない事なんでしょ?」
「なに、やつらと肉体言語でズコバコしてもらえばOKだ」
豊の頭から血が抜けてゆく。顔が真っ青になって、床に崩れ落ちた。

ドワーフは、鉱山に生息する髭モジャでマッチョな小人達だ。
精霊に近い妖精族で、鉱石や宝石を掘り出したり、金属精錬をするのが生甲斐の集団だ。
エロ小説だからと言って、女体化はしていない。髭の生えた女は認めない。
詳しい生態は不明だが、奴らはガチホモ疑惑のある汗臭い種族だ。
酒好きで陽気だが、女の話と無縁の筋肉たちだ。何をされるか想像するだけで恐ろしい。

「尻の孔にア゛〜〜〜ってな展開なんですね」
「さぁな。私の知った事では無いからな」
「さぁなって、あんたが勝手に決めたんでしょ!」
少年は涙目だ。
体で返すとして、一発一万円換算で千五百万発。
掘るにせよ、掘られるにせよ、絶望的な回数だ。
奴らはドワーフだけに、掘るのが専門に違いない。

「返品します、クーリングオフを適用してください!」
「駄目だ。村の経産竜が総出で作ったんだ。壊すのは許さん」
逃げ道は無かった。
豊に、村のお姉さん達に逆らう勇気は無い。
魔力や暴力を振るえばあっさり勝てるけど、妻にそんな事は出来ない。やる奴は屑だ。

しくしく泣き始めた豊の頭を、ミューがナデナデしてくれる。
いい娘だ。
ミューを死なせないためにも、少年は体を売る必要がある。
よりによって、髭マッチョの小人集団に。

「失礼します、代弁者様。竜王様より書状が届いています」
絶望に少年が震えていると、ノックと共に赤毛ツインテールの半竜が入ってきた。
教団ベリス神殿の通信を管理する彼女は、町の噂を牛耳る存在でもある。
ミルク売りの女性達に、ここだけの話と前置きして、様々な話をするのだ。

もちろん、「ここだけの話」がそこだけで留まった事は一度も無い。
他には、魔法テレタイプを私物化して、他の神殿とも情報をやり取りしている。
最近では代弁者観察日誌をテレタイプ網に流して、教団の噂好きの中で確固たる地位を築きつつある。

「あら?この女の子は?」

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