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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 58

棺桶に収納されていた人形が、高校のクラスメイト、宮川ミチルに似ていると思ったのだ。
似ているなどと言う水準の相似ではない。本人そのものだ。
思わず、彼女の死体ではないかと疑念を持ってしまったのだ。

「いや〜見覚えないな」
「コードネームM2、メカ・ミューゼだ。少年の代わりにスーパーヒロインとして戦ってくれる予定だ」
「魔術の結晶なのに、メカですか?」
「魔術と科学の結婚だよ、少年。マジカル・ミューゼだと魔法少女みたいだしな」
魔術と科学の結婚って、どこで聞いたフレーズだったかと、悩む少年。
少女の外見の事は、あえて考えないようにする。
どうせ、ろくでもない事情だから考えたくない。

「メカにしろ、マジカルにしろ、M2ってコードネームは確定なんですね」
「ああ、もちろん。ミチル・ミヤガワから採ったコードネームだからな」
話を逸らしたつもりが、致命的なポイントを突いてしまった。
少年は、両手両膝をついてうなだれた。
甘酸っぱい恋心とか、全て白日に晒された気分だ。
ちょっと涙が出てきた。

実のところ、彼の記憶や嗜好は、祭り直前に行われた豊少年解析計画で把握済だ。
理想的な美少年に育てる為、完全な精神探査で情報が収集されたのだ。
本人に対しては、この事実は最重要機密指定されているが。

「さあ、その大いなる劣情をそのままぶつけ、起動させたまえ」
「まさか、起動方法って…」
「メカ娘、エネルギー注入、マスター登録、起動処理と聞いて、ピンと来ないとしたらどうかしているな」
ピンと来ない読者のために補足すると、肉棒で子宮に精液を注入する行為が必要だ。
いわゆる、様式美という奴だ。

「きっと、エネルギー源が精液とか、ベタな設定なんでしょうね」
「いや、孕ませてしまえば食料で補う。精液で補充できなくも無いが」
「メカ娘が孕むんですか…」
もう、何にあきれるべきか、豊には判らない。

「孕むことにより魂を獲得し、駆動し始める原理だ」
「何か、魂とか言うと、邪悪な雰囲気ですね」
「善や邪悪といった言葉遊びに惑わされるな、少年。生きていれば魂を食い物にするのは自然な行いだぞ」
竜の論理で、ジョセフィーヌはさらりと答えた。

「さぁ、お喋りの時間は終わりだ。さっさとやり給え。さもなくば、すぐに出動要請がくるぞ」
「はいはい、判りましたよ…。ってどうやって脱がせばいいんですか?」
少年は召喚された頃に比べると、図太さと切り替えの速さを身につけていた。
竜に影響された結果である。

気持を切り替えてみれば、かなり乗り気になる。
死体愛好や人形性愛の趣味は持たない筈だが、同級生を再現した1/1のリアルドールは倒錯的な魅力を発揮している。
本人を相手にするのは気後れするのだが、人形相手なら興味の赴くままいじれる。

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