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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 47

「ともかく、豊以外の旦那ができたら教団を抜けなさい。寿退団って奴ね。残るならちゃんと子作りしなさい、それが女の幸せだから」
そういうと“お告げ”は終わった。
このお告げは、大陸全土を揺るがしたのだが、詳しい影響については、また後ほど記そう。

「それで、われを呼び出してこの茶番劇、何とするつもりぞ?」
完全に放置されていた山羊魔神が言う。
中々の演技派である。演技だとわかっていても、禍々しい雰囲気が怖い。

「あら、すっかり忘れていたわね。召喚の代償は、代理人と交渉してね♪」
「ちょ、おま、そこも丸投げですか!!」
「承知した。ふん、とんだ無駄足であったわ」
山羊さんが消える前に、女神と魔神の間で意味深な目配せが交わされた。
信者の前では馴れ合えないので、事前に密約をしておいたらしい。

「さてさて、砂漠は暑いので帰りましょうね」
ミューゼがパンパン手を叩いて、皆の移動を促した。
信徒全員が精神的衝撃でヘロヘロになっている。
まだ午前7時前なのだが、一日中奉仕活動に従事していたようなやつれぶりだった。

「それでは、福音の伝道と行きますかね、少年。頑張ってね?」
「教義の説明とか説法すればいいんですね?」
「ノンノン、肉体言語(セックス)を使った神との交歓よ」
女戦士が怒ったり、信徒が青ざめたり、泣き出したり、赤らんだりで大騒ぎになった。
面倒なので、そこらの描写はサクッと省略する。
30分ほどウダウダ揉めた後に、一行は教団のベリス神殿に移動していた。
女神はおおっぴらに出歩けないので、降臨した事を秘密にするよう信徒に命じてから盾の村に帰った。

ミューズ教団ベリス神殿。歴史は長いが、貧乏だ。
ミューゼ教団には、大陸全土に49の神殿と327の分神殿がある。
大概の大きな街には神殿があると思って間違いない。少なくとも、分神殿は確実にある。

どれだけ大規模なんだよと、突込みを入れたくなる規模なのだが、千年以上存続している教団なのでどうしてもそうなる。
そんな訳で基本的に財政難なのだが、教団から嫁を迎えた商人などが大口の寄進をするので、不定期収入が大きい。
これらの無駄に多い神殿群は、ミルク流通センターでもある。
むしろそちらの役目が重要だ。

防腐魔法の掛かったミルクタンクを使って、大量の乳の輸送がされているのだ。
中世風の世界でありながら、腐りやすいミルクの大規模流通が確立する、矛盾した話だ。
初期投資が莫大な額になるので、業界に参入する競争相手もいない。
が、奉仕や慈愛が先行して儲けにならない。

ベリス神殿では、教母の公開処女喪失が行われようとしていた。
宿から移動した巡礼のほか、神殿関係者とミルク売りのお姉さん達が見守っている。
ちなみに、ミルク売りは屋台以外にも宅配やヤ○ルトのような巡回押し売り形態もあるので従事者は多い。

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