PiPi's World 投稿小説

竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 41
 43
の最後へ

竜使いの少年 43

竜王の子の話に戻そう。産まれた子が女なら生涯僧院で暮らす事になる。
外にでると、誘拐されて奴隷に身を落とす末路が多いのだ。
搾乳奉仕は教団の貴重な収入源で、僧院での重要な仕事の一つだ。
ギルドと比べて、待遇は恵まれている。

男が産まれた場合、精通を迎えるまで男児院で養育される。
精通を契機に放逐された男は、殆どが搾乳ギルドに拾われて搾乳士となる。
竜王の子種はありふれているので、教団出身者が種付け士に採用される事は少ない。
このような事情で、尼僧院とギルドは微妙な関係を保っている。

搾乳ギルドと、竜王家の関係についても簡単に記しておこう。
側仕えが孕むと教団に回収されるので、ギルドは王妃候補を送り込む。
誘拐してきた人間を送り込んでいるなどの後ろ暗い噂が絶えないが、王が気にしないので問題にならない。
種付け士で搾乳奴隷を繁殖させるほうが安上がりなので、王家との関わりには熱心ではない。

ギルドが関わる最も大きな疑惑は、竜王の暗殺である。
繁殖士の新しい血統を得るため、竜王を暗殺しているという噂があるのだ。
真偽は確かではないが、ギルドの性格を考えると、有り得る話ではある。

閑話休題。
豊は、ミルクスタンドで一リットルサイズの牛乳壷を購入した。
壷を返却すればお金が貰えるデポジット制だ。
水差しを持っていけば、量り売りもしてもらえる。

朝食をとって、豊は宿に向かう。
ウェイトレスは夕方〜夜の勤務なので付いてきていない。
一晩経っても怯えたままなので、無言で食事をしてそのまま立ち去った。

「おはよう、豊。また孕ませてきたの?」
「ああっ、望まぬ子を抱く親が増えてしまったのね」
「孕ませてない!人を、獣みたいに言うのは止めてよ。お願いだから」
宿に戻ってきた豊を迎えたのは、連れ二人のからかいの挨拶だった。
孕む、孕まないと刺激的な会話を漏れ聞いたミューゼの尼たちが、興味深そうにやり取りを眺めている。

「昨夜は何もしてないから、本当に!」
「起き抜けに一発なのね。やっぱり、豊は獣だわ♪」
「朝も犯ってないって。あの人とはそんな気が起きないよ。想像しても、不思議と不幸になる光景しか見えないから」
でなければ、あんなに後味の悪くなる脅しなど、する訳が無い。
言葉責めをしたり、快楽で女を堕とすのは大好きだが、マジ泣きされるレイプは大嫌いだ。
他人には理解されないかもしれないが、少年は明確に譲れない線を持っている。

アリスとの事は、棚に上げる。
あの時の彼女は犯罪者で、その報復としてのレイプだったからだ。
オマケに、竜化現象で理性が飛んだ状態だったし。

「あ、お騒がせしてすいません。神聖魔法の件でお話があるのですが、代表者の方はいらっしゃいますか?」
「…教母様ですか?呼んで参りますので、少々お待ちください」
少年達を興味津々に見ていた巡礼者に、取次ぎを依頼した。
教母以外にも信者達が集まってくる。不穏な物を感じたのだろう。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す