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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 42

売り物にできるわけが無いので、完全な趣味の品、暇つぶし用だ。
売ればかなりの値段になるが、売りたくない、非売品と言うのが正しいか。
熱中していると、あっという間に夜が明けた。
少年は、女を脅しすぎた詫びに、朝食を用意してあげることにした。

こっそり家から抜け出して、朝市でレタスや胡瓜などを買い込む。
にっこり売り子のおばさんに微笑みかけると、果物をサービスしてもらった。
焼きたてのパンも購入する。
お姉さんに手を包み込むように握られて、つり銭を渡された。

アイダさんがそのうち実感するといっていたが、本当にモテモテオーラが出ているらしい。
ベーコンを購入するついでに卵を2個おねだりしてみたら、オマケしてもらえた。
女性限定の効果だが、便利だ。男にも効くかもしれないが、恐ろしくて試したくない。
ふと、嗅ぎなれた匂いを感じて足を止めると、ミルク売りの屋台があった。竜乳の匂いだ。

「ミューゼの信徒の方ですか?」
「ええ、ヤギや牛乳などをお譲りしておりますわ」
ミューゼ教には、おっぱい教の俗称がある。
設立の由来から、搾乳奴隷を積極的に保護しているのだ。
現金収入のため搾乳した竜乳を売り始めたのがきっかけで、今は様々な乳を販売する一大勢力となっている。

陵辱的な搾乳を行う搾乳ギルドとは違い、ミューゼ教団は搾乳士や種付け士を使用しない。
信仰上の理由で、搾乳奴隷は処女なのだ。
搾乳される女達は、バラン竜王お手付きのお側仕えが産んだ娘である。
竜王に孕まされた女は、王室支給の支度金とともにミューゼ教団に送られて、厄介払いされるのだ。
竜の子を産んだ女は還俗して、一般家庭に嫁ぐのが通例である。

竜王バランとは、竜が「人間を」統治する竜王国の王の名だ。
バランの名を冠して、バラン竜王国と呼ばれる。
竜王国は不定期に牡竜の挑戦者に倒されて王朝が交代する、一代限りの王国だ。
王朝が交代するたびに、併合や分離独立などで周辺諸国に戦乱を巻き起こす、非常に迷惑な国でもある。

たまに、人間の勇者が竜王を倒して国王になる事もある。
その場合、すぐに竜の挑戦者に血祭りにされる。竜が王なら挑戦者がしばらく現れない、不思議な話だ。
統治に興味を持たない竜が多いので、竜王国は伝統的に優秀な官僚組織を備えている。

また、竜王国の後宮には牝竜が居ない。正式な竜の巣には珍しい形態のハーレムを持つ。
これは、経産竜の思惑や暗躍があったりするのだが、話が長くなるので省略する。
性欲を持て余した王が人間の召使を孕ませるので、搾乳奴隷の供給源になる。
五つの神器のうち、珠を守る役目も担っていたりする。

なお、竜王国は不滅である。
不利な状態になると、竜王が暴れて局面を引っくり返すからだ。
軍隊で竜王国を攻めると理不尽な負けを喫してしまうので、普通は攻めない。
冒険者を集めて竜王を暗殺するのが、唯一の勝利条件だ。

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