PiPi's World 投稿小説

竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 39
 41
の最後へ

竜使いの少年 41

少年は性器をしまうと、部屋の精液を魔術で焼却消去した。
部屋の匂いを消臭魔法で消して、悪臭を放つ汚れ物を消臭殺菌の魔法で浄化する。
消臭殺菌は、匂いの元となる有機酸を破壊する魔法だ。
副作用で細菌類も死滅する一石二鳥の魔法だが、生き物に使うと危険なので使用には注意が必要だ。
垢が消えるわけではないので、洗濯しないとまた匂い始めるが、応急処置としては充分だ。

そして、おびえる女を宥めすかして夜着に着替えさせて眠らせる。
全く、世話の焼ける女だ。と少年は思う。
脅すためとはいえ、趣味でない陵辱をしてしまって後味が悪すぎる。
障害になりそうな事が片付いたので、瞑想修行を始めた。
ミューゼの自称神官について話をする必要がある。

「やっぱり黒だったわよ。影を崇拝してるみたい」
「厄介ですね。当事者本人でないと解決できないですよね」
宿に居た時点で、半ば予想されていたことだ。
見知らぬ竜のことで他人事とはいえ、大変なことになったと少年は思う。

「ミューゼは今、剣の村に向けて飛行中よ。ジェット気流に乗って巡航中だから、夜明けには到着する予定」
「説得が必要になったら、アンドレアさんの部屋にゲートを開きますね」
それから幾つかの事柄について打ち合わせを行った。
今日の修行は、神学、祈願系魔術についての理論学習に当てられることが決定した。

四年間の修行から実時間に戻った豊は、学習した成果を試してみることにした。
「自分自身を神として」祈り、奇跡を顕現させる。
自分の魔力を使用するのと結果的に起こる現象は同じだが、過程と意味が全く違う。
信者、眷属とも言うが、それを集めると自分の魔力でなく信者の信仰心を消費して奇跡を行使できるのだ。

故に、悪魔は人間を誘惑して契約を結ぶ。既存の神を装って、偽神として騙す事も日常茶飯事だ。
ちなみに、ミューゼの影は悪魔崇拝とは関係がない。今のところは。
ただ、悪魔に知られると悪用されて、非常に厄介な事態になる。
様々な宗教で異端が問題とされるのは、このあたりの事情に起因する。

ちなみに、魔術師と使い魔の関係も、一種の信仰契約である。
魔法で崇拝を強制している関係であるが、使い魔の魔力を魔術師が行使できる。
無理やり契約を結ぶので、主の力量で従える使い魔の強さが決まる。

やろうと思えば、豊はアリスを使い魔にできる。
魂から従属している彼女は、崇拝を強要しなくても契約できるのだ。
もっとも、豊はそんな事には興味がないし、制約、代償が面倒だから契約しないが。
竜神である時点で力は有り余っているから、人間一人分の余剰魔力など計測誤差程度の力だ。

一通り神聖魔法を試してみた後、いつものように瞬間睡眠で休息してからレース編みを始めた。
金を稼ぐ実用目的のはずが、趣味に変わりつつある。本人は頑として認めないが。
今も、エリルとアリスの肖像を編んでいたりする。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す