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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 37

夢心地で何時間かたって、そのまま豊は眠ってしまった。
加速状態ではない、自然な睡眠だ。
アイダが残って、焚き火番をしてくれている。

早朝目覚めた少年は後悔していた。
体調はこの上なく良いのだが、精気が充実しすぎだ。
かつて無いほど猛烈な朝立ち状態になってしまった。
生殖本能を満たした後なので衝動は無いのだが、欲求不満を感じた時にどうなるか考えると憂鬱になる。

「体調はどうかしら?」
「絶好調すぎて怖いです。二日に一度は種付けしないと、我慢が利かなくなりそうな感じ」
「セクシーになっているから、女を誘えばすぐに種付けできるわよ」
冗談めかしてアイダが言うが、実際に少年の性的魅力は一夜で大幅に増している。
あふれ出す精力が、そのまま若い牡特有の活力として魅力的な雰囲気に転化されているのだ。

「お世辞を言っても、何も出ませんよ」
「あら、嘘じゃないのよ?ま、そのうち実感するでしょ。ご飯作っておいたから、食べてね」
少年に濃厚なキスをして、アイダは村へのゲートをくぐった。

その日の旅は、好調だった。
森を出たところで、街へ向かう荷馬車に便乗させてもらえたのだ。
荷物を運び終えて返しに行く所だったそうで、空荷だから軽快な速度で進んだ。
昼食をとった街の食堂では、給仕娘のウィンクと大盛りサービスに恵まれた。

「気前の良い街だったね」
(気付いていないのかしら、この天然女誑しは)
「ご主人様は、精霊との性交で色っぽさを獲得したみたいです」
食料品を購入したときも山ほどオマケしてもらい、少年はホクホク顔だ。
エリルはあきれ、アリスは自分なりの分析を披露した。

豊のモテぶりは夜になっても発揮されていた。
ベリスと呼ばれる港町に到着して、最初に見つけた宿に泊まろうとした時の話だ。
かなり無理をして来たので、完全に日が暮れて辺りには夕食の匂いが漂っている。

「すいませんねぇ。巡礼の団体さんで、部屋は満室なんですよ。女性だけなら、相部屋を頼めるのですけど」
宿の主人は申し訳なさそうに言った。
軽食屋と酒場、民宿をあわせたような形態の宿だ。
部屋数が少ないので、ちょっとした団体が入るとすぐに満室になってしまう。

「連れの二人だけでもお願いできませんか?僕は、適当に外で過ごしますから」
「せっかく街についたのに、野宿なんて駄目よ」
「その通りです。ベリスなら宿泊専門のホテルがありますから、探せば空室があるはずです」
豊の発言に、お連れのメイドと美少女が反対した。
少し前まで美女と美少女に囲まれた幸運な少年といった印象だったのが、今は女達が従属物のように見える。

「私の部屋に泊めてあげようか?ボク?」
話に割り込んできたのは、ウェイトレスの女性だった。
ワンルーム一人暮らしなので三人は無理だが、一人なら泊められるとの提案だった。

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