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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 36

弓で射落としたフクロウを釣り針に取り付けて、燐光の呪文で光らせた。

それを湖に投げ込んで、手繰り寄せる。
強力なアタリがきたので、ワイヤーに雷撃魔法を叩き込んだ。
金属の線を通して数十万ボルトの高圧電流が流れる。

すると、仕掛けに食いついた湖ワームの成体が失神して浮かび上がってきた。
体長12メートル級の特大ワーム、いきなり湖の主を釣り上げたようだ。
人間の力では扱いきれないので、少年は竜変化して引きずりあげる事にした。

ワームが失神している間に、脳と12対の神経節から核石を抉り取る。
核石はゴーレムや魔法アイテムの作成に利用されるので、取引場所を知っていればかなりの収入になる。
脳に収まっていた、最も大きい石はハンドボールほどの大きさだ。

解体しようとして、豊は途方にくれた。大きすぎて、手に負えない。
一晩で何とかできるような作業量ではないだろう。
血抜きをするにも、吊るせるほど大きくて太い樹木が無い。

少し考えて、少年は助っ人を連れてくることにした。
ゲートで剣の村に移動して、明かりのついている家を探す。
ノックして中に入ってみると、アンドレアとジョセフィーヌ、アイダとテレサが卓を囲んでいた。
麻雀のルールを複雑怪奇にしたゲーム、竜牌をしているみたいだ。
手伝いを頼むと、快く引き受けてくれた。

竜が本性を現せば巨大な生体クレーンになるので、作業は簡単になった。
ワームは竜の遠い仲間に分類される生き物で、肉はもちろん、血や皮、内臓にいたるまで利用価値がある。
特に、10m超えの大物となると価値が跳ね上がる。
手際よく解体されたワームは、保存魔法を施した上で村の倉庫にゲート魔法で送られた。

「それにしても、疲れているようね」
「昼間、死にそうなくらい精気を抜かれましたからね」
瞑想修行のとき大乱交の事は伝えたのだが、精神体で対面する仮想空間では実際の体調を見抜きにくい。
アンドレアの勧めで、精気の流れを整える整体マッサージをしてもらう事になった。

「テレサ、痛い」
経産竜たちの絶妙な技と比べ、テレサは明らかに未熟だった。
他の3人が滞った部分のコリをほぐし精気が流れ始めたところに、逆行する流れを作ってしまうのだ。
毛並みを逆撫でされると怒る猫の気分が、わかるような気がする。

「ごめんなさい」
「年季が違うから、仕方ないよ」
テレサ抜きの3人がかりでマッサージしてもらう。
性交よりも気持ちがいい。って感想が、中年オヤジみたいだなと、豊は自嘲した。
少女は貴重なふれあいの機会を失ってしょんぼりしているが、次の機会に頑張って欲しい。

精気の流れが良くなったところで、湖ワームの絞りたての生き血を飲まさた。
生臭くて飲み辛いのだが、飲んだ後に体が温まる。
きっと、スッポンの何倍も効果があるのだろう。

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