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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 31

テレパシーで繋がった状態で、仮想空間を形成して加速時間に入る。
秘密会議場としての用途、例えば産卵評議会などに使われるが、時間効率が良いので知識伝授にも使われる。
1時間で4年に相当する補習授業だが、これは学問の楽しみを覚えた豊が旅立ち前に頼み込んでセッティングしたのだ。

瞑想修行を終えて食堂に顔を出してみたところ、女性達は猥談の真っ最中だった。
ナリサは夫との夜の営みで、ファブニルの冒険で語られるような快感を感じたことが無いと言う相談だった。

「豊さんは、その、お二人と大人の関係というのは本当なんですか?」
「の、ノーコメントでお願いします」
真っ赤になったナリサが質問した。
青年と呼ぶには幼い外見の少年が、性獣と呼ぶべき性欲を発するとは思えないのだ。
結局、微妙な空気に耐え切れず、女店長は部屋へ逃げ帰っていった。

客間のベッドで、エリルとアリスが眠る。
豊は加速睡眠できるので、眠る必要を感じない。
1秒が10時間に相当するうたた寝で、リフレッシュしてしまえるのだ。

明かりを落とした部屋の中でレース編みを始める少年。
音を立てず時間つぶしになり、路銀の足しになる行動がレース編みだっただけで、趣味ではない。
絵柄は、葛飾北斎の神奈川沖浪裏の構図を借用して、脳内で図面を作る。
異世界なので、盗作だとばれる心配がない。

機械のように素早く正確な針捌きを続けながら、周囲の気配や物音にも注意を怠らない。
野営する時の予行演習を兼ねているのだ。
ナリサが裏口から出てゆく足音を感じた。
しばらくして、井戸から水を汲み浴びる音が聞こえてきた。

豊は、編み針を置いて静かに立ち上がった。
音もなく外に出て、ドラゴン脱衣術でスポンと脱いだ。
奪衣ではなく、脱衣だ。奪衣は脱がし用、脱衣は脱ぎ用である。音では区別が付かないが、別の技だ。

少年はそっと近付いて、声が漏れないように口を手で封じながら抱きついた。
「騒ぐと裸を見られるよ?」と囁くと、大人しくなった。
強引に迫っているが、実は和姦に限りなく近い。
態度と裏腹なフェロモンの匂いが、本当の感情を伝えるのだ。
反抗する素振りも、逃げ道となる言い訳を用意してやるとすぐに覆る。

「子供が欲しいそうだけど、旦那とは月に何度くらい子作りしてるの?」
「ここ何年かしてないの。全然気持ちよくないし、ビヤ腹の脂ぎった体が気持ち悪いから」
意外な告白だが、納得もできる。
デリカシーがない醜男に、これだけ可愛い嫁ができたのが奇跡だ。
大方、元は親の決めた許婚とかそんな関係に違いない。

「気持ちよくならないって、こんなに食いついてるのに、嘘でしょ?」
「全然違うの。ゴリゴリってして、信じられないくらい良いの!」
剛直を突き込みながら尋ねると、乱れながら答えてきた。

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