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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 29

朝食の準備に始まって、今日は一日中料理をしていたような気がする。

幸いなことに、瀕死だったアンドレアは巨大卵を産んだ途端元気を取り戻し、鬼気迫る食欲を発揮していた。
この異常産卵の報告を受けた産卵評議会は、豊が参加する祭りは事前に食糧備蓄を行うよう通達を発した。
各地の女王竜たちは、秘密裏に卵を温める準備を整えていた。
世界規模の牝の陰謀に、夫である牡達は気付いていない。
問題の中心となった少年も、知らされていない。

「それで、救世主様はいつごろ世直しの旅に出発なされますかの?」
婿殿と呼んでいたのが、救世主様に格上げである。
出発予定の確認も居座られたら困るという恐れがさせたのだが、豊の実力にビビり過ぎだ。

「準備が整い次第出るつもりだけど、今日はそんな暇なかったからね」
「装備は今日の買出しのついでに買い揃えておきましたぞ。明日早朝にも出発可能ですじゃ」
「わざわざ有難うございます。忙しかったでしょうに」
長老の真意に気付かず、少年は素直に感謝した。
そんな訳で、出発は明日早朝となった。

見送りは村人総出の騒ぎだった。
挨拶のため、女性を代表してアンドレアが進み出た。

「旅の無事をお祈りします、旦那様。そして、旅を終えて五つの神器で神威執行の折には、我ら竜族をお救い頂きますよう32の妻の愛と卵に賭けてお願い申し上げます」
「は、はい。頑張ります…」
今更ではあるが、この言葉で完全に利害関係に取り込まれた事に、少年はようやく気付いた。
32個の卵を盾にお願い(脅迫とも言う)をされたら、断れない。

キリキリと胃が痛み始めたが、テレサ+30人の経産竜の別れのキスで、元気を取り戻した。
エリルとアリスにも無言の要求に屈して、キスをする。
同行するから要らないだろうと思うのだが、そこはそれ、話は別なのだろう。

…長老が何か訓辞を述べていたが、誰も聞いていなかった。

旅の道中、豊は浮かれていた。
龍精丸でドーピング強化された肉体と、バーチャルトレーニングで得た経験を統合するのに夢中だったのだ。
神技とも言える弓の腕前を発揮して山鳩を射落としたと思うと、野生の芋を見つけて素早く掘り出す。
猪を捕らえて、素早く血抜きと腸抜きを済ませてしまう。
召喚された当時の少年からすれば驚くほどの成長なのだが、同行する二人はそれを知らない。
才能ある勇者だから召喚されたのだろうと、マルチな才能に驚かない。

昼食は、31人の妻が一品ずつおかずを作った、豪華な弁当だった。
一口分ずつ詰めているのだが、食べるのに困るほどの多さだ。
豊は、食休みを兼ねてエリルとアリスのWフェラとW手コキで性欲を発散した。

旅のメンバーは竜の体力を持つエリルと豊に、旅慣れたアリスだったので、かなりのハイペースだ。
たっぷり昼休みを取っても通常の1.5倍ほど多く歩いている。

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