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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 25

打開策を検討するため、産卵計画議会の採択により産卵評議会が緊急招集された。

評議会召集されたのは、五番目の交尾相手であるアイダの順番が巡ってきた頃の話だ。
孫を持つ彼女ですら、剣の村では若輩者に位置している。
彼女の父親である村の長老も本人が知らないだけで、女達から見れば尻の青いヒヨッコも同然である。
竜は男性が優位に見えて、実際には徹底的に女系種族なのだ。
経産竜達の思惑で、こういった真相は慎重に隠されている。

付け加えれば、エリルが最強の魔法の才能を持つというのも、真っ赤な嘘だ。
神器のある五つの集落のうち剣の村がくじ引きで選ばれ、村の処女二人のどちらを使うか決めるときに考えた設定だ。
長老や娘達は記憶を改竄され、それが真実だと思い込んでいる。
レディ達が強大な力を持ち、時間を操るという秘密を守る処置だ。

神器を集める傀儡(かいらい)の少年を用意し、神威執行で『星界より訪れし魔』を再追放する計画は、竜変化というありえない事態が起きてから、想定外の方向へ転がり続けている。
一斉産卵という事態を起こすくらいなら、別の方法で『星界(略)』を処理する方が良かったのだ。

評議会では「人間を追放種族指定すべきか?」が議題にあがっていた。
大量の卵を養う為に、人間を根絶して生存圏を広げる必要があると提案されたのだ。

追放指定する場合は、執行者となる豊の性格を冷酷に再教育する必要がある。
すると、「可愛くて健気な豊少年と交尾したい」と言う最優先条件が崩れてしまう。
豊との仔作りのため、人類存続が承認された。

結局、仔竜の生活圏確保のため、現存のハグレ竜の駆除が決定された。
息子を守りたがる者もいたが、仔作りと巣立った子供と比べればどちらが重要か明白だった。
ハグレ退治は、豊少年の手に委ねられる。
経産竜が手を下せば早いのだが、竜の時の秘密を守るためには直接動くのは控えなければならない。

評議員達が答えの出ない難問に直面しているその頃、豊はアイダとマッタリとした日々を送っていた。
日課である激しい性交を終えた後の会話が、アイダの娘のローズとの生活が話題となっていた。

「えーと、それから何があったかな?四年も経ったら、細かいことを忘れてるなぁ」
「たった四年前の事を忘れたの?」
新婚生活の様子を語っていた少年だが、詳細は早くも薄れ始めていた。
人間の記憶力の限界、痴呆の危機である。

このままでは、30人の相手が終わる頃には、精神の瑞々しさを失った40代半ばのオッサンに成ってしまう。
頭脳を竜変化する魔法を使うことになった。
副作用として知力が飛躍的に上昇し、記憶力が原因で滞っていた学習が一挙に進度を増した。

脳の変化で性格が変化する事が危惧されたが、あまり問題にはならなかった。
人格形成期はとっくに終わっていたし、注意深く導く妻がいれば道を誤ることも無い。
こうして「可愛くて健気な少年夫の育成計画」が破綻の危機は去った。

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