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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 24

新婚生活の間に羞恥心が麻痺したようで、以前なら悶絶するほど恥しかったプレイも平気だ。
そうしている間にも別れの5分間の終わりは近付いていた。

「愛してますわ、アナタ」
「これで終わるなんて、嫌だよ」
1年間に及ぶ恋愛の終わりに、少年は泣いた。
生涯初めての本当の恋愛だ。
なんとなく恋をして、失恋するのとは訳が違う。

「あら、私はこれで終わりにするつもりなんて、全くありませんよ?駄々をこねずに、しっかりして下さい。旦那様」
「うん、そうだね、僕もこれで終わりにするつもりないよ」
プチ説教と反省のお陰で少年は冷静さを取り戻した。

二番手のオデットの順番が始まった。
ローズとの経験と同じような流れである。
違う点といえば、1年分の経験で少しだけ少年が精神的に成長していた事と、別れの経験をして、時間の貴重さを実感した事だろう。
豊の要望で、日々の生活の合間に魔術の基礎練習や各種武術を伝授されるようになった。
竜は知識の象徴にも例えられる生物なので、師匠にするには最適の人材だ。
そして、二度目の1年が終わった。

「ローズ!会いたかった!」
豊は目覚めるとローズにキスをした。
時間にして2秒程度だが、加速状態の精神感応の効果で20時間分の接触に相当する。
少年にとっては1年ぶりでも、ローズには15分前の出来事に過ぎない。
結局、少年が1年の体験を一方的に報告するだけに終わった。

オデットとの別れは、ローズのときよりあっさりとしていた。
別に、ローズとの愛情と比べて劣るわけではない。
永遠の別れでは無いと理解し、2度目の別れだったのが大きかった。

三番目、四番めの交尾も滞りなく進行していた。
三番手で交尾を終えた直後のミンディが、興奮気味に蜜月生活の様子を報告している。

「話に聞いていたほど暗い性格じゃないよ」
「順調に成長してるって所かしらね」
仮想空間におけるハネムーンは、少年を竜好みの牡に仕立て上げる裏の目的があった。
昨夜、豊が竜変化するという想定外の自体を引き起こしてから、急遽立案された計画だ。

精神探査の魔法で少年の記憶や性格などを詳細分析し、教育計画が立案された。
大陸全土の経産竜(レディドラゴン)が参加する討議空間で、様々なプランの検討破棄が為されたのだ。
これほどの耳目を集める案件の発生は、全ての竜の記憶にもない椿事だった。

そんな訳で、今現在も世界各地のお姉さま達が、卵の祭り会場を熱心に観察している。
ローズとオデット、ミンディの報告を受けて、産卵計画議会に対して大量の産卵申請が提出されていた。
レディ全員が産卵請求を提出したのだ。

それこそ、有史以来一度も無かった、前代未聞の異常事態だ。
現在進行中の卵の祭りで産まれる31個の卵だけでも、世界の調和を大幅に乱す脅威だ。
数百の卵が産まれたとすると、惑星の生態系が完全に狂ってしまう。

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