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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 13

翌朝豊が目覚めると、ベッドから身元不明の女性が消えていた。
奴隷化したのに逃げられた?
慌てて部屋から飛び出すと、メイドさんがいた。

「お早うございます、ご主人様」
悪の魔女はメイドさんにクラスチェンジした!
従順さが上昇した!
家事能力が上昇した!
妖艶さが下降した!
特殊スキル『夜伽』(///)を習得した!
恒久ステータス『ご主人様Love』(中確率発動の主人守護能力)を獲得した!

「あ、ああ、お早う…」
(どうコメントすべきなんだろうか?)

「お食事を用意しました。こちらにどうぞ」
食卓にトーストとハムエッグ、サラダとミルクが用意してある。
促されるまま席について、トーストを手に取る。
少し考えて、トーストにハムエッグとサラダを乗せてトーストサンドにした。

(うう、気まずいなぁ)
背後にメイドさんが控えている気配を感じる。
無難に体調はどうか聞いてみるか?
いや、駄目だ。昨夜のナニを連想させてしまう質問だ。
実際に体調が心配なのは確かだけど、セクハラ野郎だと思われるのは困る。
セクハラ野郎ならマシか。レイプ魔なんだよね。

「あ、あの、おねーさんの名前は?あ、僕の名前は遠藤豊です」
「…アリスとお呼び下さい。ご主人様」
会話が途切れた。
(ああ、もう、誰でも良いから起きて来ないかな)
サンドを齧りながら現実逃避する豊。

「おはよう、豊。気持ちのいい朝ね」
「ブフーッ!!エ、エリル、何だよ?そのお腹は!」
少年が口の中のトーストを噴射しながら絶叫する。
ヨチヨチとペンギン歩きで現れたエリルのお腹は、臨月のように膨れ上がっていた。

「何?ってそりゃ、あなたの赤ちゃんじゃない。順調に育ってるよ」
何を驚いてるの?といった表情で応えるエリル。

「だ、だ、だって一晩だよ?そんなに膨れるのは病気じゃないか?」
「ドラゴンの仔なら普通よ。普通。人間の子種で竜の仔を孕むのは珍しい事だけどね」
「うわぁ、どうしよう」
今日、明日にも一児の父になってしまいそうな展開に、頭を抱えてしまう。

「さすがにお腹がパンパンで窮屈だから、産んで来るね」
「ちょ、ちょっと待って!産むってそんな簡単に!」
外出するエリルを豊が追いかける。

村の中心部の広場に到着すると、エリルは人間形態を解除した。
そして、ラッパのような鳴き声で誕生の刻を告げる歌を歌い始めた。
響き渡る凱歌を聞いた村人たちが集まってくる。

「あら、エリルが出産?あの坊やの種なのかしら?」
「竜の仔を孕ませるなんて、見かけによらないのねぇ」
20代半ばくらいの外見の女性が、30人ほど集まっている。
後は、今にも死にそうなくらいシワシワの男性が4人。
男女比と年齢構成がかなり歪なようだ。

「オオーン」とひときわ高く吼えると、エリスはポコリと卵を産み落とした。
観賞用のお化け南瓜のように巨大な卵だ。

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