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大淫者の宿命星
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大淫者の宿命星 10

今度はゆっくりではなく、少し速めに抽送を繰り返すと、彼女の襞肉が搾り取るような勢いで、締めつけてくるのが、気持ちいい。
俺も汗ばんできて、彼女の白い裸体にぽたぽたと流れた汗が落ちる。
硬くなった勃起の先端で子宮を突きまくる。
彼女はあえぎながら身悶えして、そのたびに膣内の締めつけを強めてきた。
俺の彼女。俺をほしいと言ってくれる人。
肉襞と先端が、彼女の愛蜜と俺の先走りのぬめりの中で互いに擦りあって、切なくなるような快感を駆け巡らせてくる。
俺は彼女の両脚を肩から下ろすと、かぶさるように抱きついて、腰を揺らしながら、あえいでいる彼女にキスをした。
彼女の白く柔らかい、しなやかで、なまめかしい身体を抱きしめて、さらに激しく突き動かした。彼女の舌が俺の舌に絡みついてくる。
「……ん、ふぐっ、んんっ、んっー!!」
彼女がキスをしたまま、俺が射精したのを感じて、言葉にならない声を上げた。





射精が終わるまで、俺は彼女とキスを続けてもう腰を動かさずに、抱き締めていた。
彼女をとても愛しく感じながら。
キスを終えて彼女は俺の耳もとで囁いた。
「……もうずっと私を離さないで」
彼女のそう言った意味がわかるのは、しばらくして俺が自分の力について知ってからだ。
翌日の午前中に旅館を出た。
「あんまり留守にしてると、あなたの御両親も心配なさるでしょう?」
――心配なさるかしらね、むしろいないほうがイライラしないで、心穏やかにすごされているのではなかろうか。
俺は内心でぼやきながら、彼女が運転する車の助手席で、流れる白い雲を見つめていた。
とても、天気がよくて働かないでのんびりしてるのが不思議な感じだ。
「よし、行くわよ!」
彼女はそのまま俺の実家に直行して「結婚を前提におつきあいさせていただいております」と挨拶した。
俺の両親は彼女が美人で、身なりも上品、その上に車がフェラーリだったので圧倒されていた。
むしろ、こんなダメ息子で本当にいいんですか、後悔しませんか、ぐらい言い出しそうな唖然とした表情をしていた。
「がんばってね」
そう言った彼女が車を走らせて、夜の闇で見えなくなるまで見送ると、俺はふーっと深呼吸していた。
家に入るとリビングで父親は腕を組んで椅子に座っていた。母親はなぜか泣いていた。
なんだがやばそうな雰囲気だ。
俺は二階の自室に行って一服しようと思っていると、階段の途中で、父親に怒鳴られた。
「おまえ、こっちに来て説明しなさい!」
「……なんで?」
「なんでじゃねぇよ、この野郎が」
なぜ激怒するのか、俺に彼女ができたことがそんなに大問題なのか……。
ふてくされた顔で俺はリビングの椅子に腰を下ろしてポケットから煙草を取り出した。
あ、最後の一本だ。
火をつけて、煙を深く吸い込んだ。
「おまえ、どうするつもりだ、ちゃんと男として責任取れるのか?」
父親は、自分の言いたいことだけをいきなりぶつけてくる。
「結婚するかどうかってことなら、まだ相手の両親に会ってないから、よくわからないよ。つきあってるけど……」
「相手のご両親には、まだ挨拶してないの?」
涙目の母親が言う。
「まあ、彼女の都合に合わせて行こうとは思ってるんだけど……」
父親が話をさえぎるように、急に言い出す。
「おまえには無理だ」




まず俺の仕事がアルバイト。
これがダメ。
次に彼女の身なりや車が高級品、派手な装飾品とかつけていないから、よほど育ちの良い家の御令嬢にちがいなく、身分ちがいだろう、身の程しらずが……ということらしい。
「仕事は彼女が紹介してくれるらしい。彼女の実家は神社とかみたいで」
彼女が家に来る前に俺に言った。
――霊媒師といってもたぶんわからないだろうから説明するときは、そう御両親に伝えておいて。
「おまえ、長男なのに婿に行くつもりか?」
確かに、長女の姉さんが嫁に行ったから、名字かわったら跡継ぎいなくなるけど、家は職人とかじゃなくて会社員だろうが。
と言いかけるが、我慢した。煙草を切らしてるのが、きついな。煙草、喫いたい。
「彼女は同棲したいって言ってるんだけど」
「やめておきなさい」
母親がぴしゃりと言い切る。これは手強いと身構えて話を聞く。

「同棲したら、相手のいいところ、悪いところも見えてくる。けどね、お前の悪いところもすぐに相手にわかっちゃう。結婚してたらあきらめて一緒にいてくれるかもしれないけど。別れたいの?」
母親に言われて「別れたいわけじゃないよ」と返事をしたが、そういうこともあるかもと説得されかかっている俺がいる。
子供の頃から母親にしつけられてきた。厳しく言われたり、おだてられたり、説得されて育ってきたのだ。
――がんばってね。
彼女がそう言って帰ったのは、これを予測して言ったのかもしれない。
「母さん、俺……仕事辞めて家に居候させてもらってる自分が情けなかったんだよ。父さんにも毎日ガンガン文句言われてるのも。あとアルバイトで働いて安い給料なのに嫌み言われながら働くのも。でも、新しい仕事しながら俺を信頼してくれてる彼女と暮らしてみたいと思ったんだ」

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