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賢者ルシャード
官能リレー小説 - ファンタジー系

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賢者ルシャード 8

さらに精霊らしくなく人格があるようだ。
ルシャードを「ぼうや」と呼んだ。
会話できる知能がある精霊。
それは何なのかわからなすぎる。
「とにかく融合を阻止しなければ……」
ビショップのフェイランは、ルシャードを説得しようとした。
「契約を結ぶと姉はどうなるのですか?」
「ルシャード様が精霊のマスターとなることで、ルシャード様を守護する聖騎士となります」
「よくわからないな」
「もし契約を結べなければ、騎士シルヴィアを世界にわざわいをもたらす者として、教団の聖職者は掟に従い全力で粛清しなければなりません」
「殺すってことですか?」
「そうです」
ルシャードは穏やかな寝顔の姉を見つめて、しばらく沈黙していた。
教団がシルヴィアだけを粛清して終わるはずはない。ルシャードを、元凶とみなし粛清せよ、と聖職者たちに命じるだろう。
「もし世界を敵にまわして戦う気がルシャード様にあるのなら、このフェイラン、命を捧げる覚悟はできております。
器の巫女としてお使い下さい……」
「それはダメです」
ルシャードが即答したので、フェイランは傷ついた。たしかに、若くもないから魅力はあまりないかもしれない。騎士ほど戦闘力はない。でも、そんなにはっきり断るなんて。
「姉も、フェイランさんも、犠牲になんかさせない。まだ、方法はある」

ルシャードは眠っている姉のそばにしゃがむと、左手の守護の指輪を姉の眉間のあたりにそっと近づけて、目を閉じた。
「ルシャード様、いけません。それはあまりに無謀すぎます!」
フェイランが気がついたときには、すでにルシャードは姉の夢の中に強制的に潜っていた。
姉の上にルシャードが前のめりに倒れ込む。
眠りに落ちた姉弟のそばで破邪の剣と守護の指輪が共鳴するように淡い光を放ち二人を包む。


ルシャードが姉の意識に自分の意識を水に潜るように侵入させている。
それは水の法術の奥義のひとつ。
ビショップのフェイランでさえ、相手の意識の浅いところにあるわずかな思考を同調して読み取ることしかできない。
深く相手の意識と同調すれば、自分の意識を破壊されかねないからだ。
剣と指輪を同調させ、指輪に意識をぶつけて飛ばさせて、剣の吸収の力でシルヴィアの意識のある夢の中に侵入したらしい。
夢の中には、シルヴィアに憑依した精霊もいるはずでルシャードは精霊を探すつもりだった。
しかし、すでに同調が進んでいて、ルシャードが視たのは、姉の意識が精霊の意識の中に囚われている姿であった。

シルヴィアは蠢く触手の中で囚われていた。
触手が絡みあう巨大な球体が闇に浮かんでいる。
両腕の肩のあたりまて、うつぼのような太い触手がくわえこんでいる。両脚も膝上までくわえこまれて拘束されて、身動きできなくされていた。
「感じてなんか……あぁっ」
「どこまで我慢できるかしら、ふふっ」
前後左右から、触手が襲いかかり、柔肌を這いまわり、揉みまわす。
シルヴィアは全裸にされていて、触手は何千もの手と指先のように快感を与えようと蠢く。
「こんなのもどうかしら?」
細い触手どもの先端が花のように開くと、ぬるりとした粘液をびゅっびゅっと吐き散らす。
粘液を浴びた柔肌に、丹念に塗りつけるように触手が絡みつき這いずる。
「やだ、気持ち悪い……ひっ、あぅっ」
「気持ち悪いわりには、いい声であえいでるじゃないじゃない。素直じゃないわね」
乳房に絡みついてぎゅむぎゅむと揉み上げている触手の動きが激しくなった。
「あ、ああっ、やめてよ!」
左右の乳首に、さっきまで粘液を吐いていた細い触手の開いた先端が吸いついた。
「好きな男に一緒に抱かれようって誘ってやってるのに、一緒じゃ嫌なんて……もっとおしおきしてあげなくちゃね」


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