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賢者ルシャード
官能リレー小説 - ファンタジー系

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賢者ルシャード 5

犯される、ちがう、犯してしまう。
ルシャードは声も出せない。呪縛で金縛りにされている状態である。
姉シルヴィアが自分の乳房を両手で揉み、ペロッと唇を舐め微笑する。
「こんなに敏感な素敵な体なのに、何で処女なのかしら……まあ、いいわ。ぼうやも童貞みたいだし」
キスされたことで麻痺の魔法にかかっているルシャードにはどうすることもできない。
シルヴィアがルシャードの服をすべて剥ぎ取ると、体を撫でまわしていく。
指先が触れるか触れないかの繊細な愛撫に、ぞくっと鳥肌が立つほどの快感が走る。
上からかぶさるように、シルヴィアが弟の乳首に顔を近づけていく。
びくっとルシャードの体が震えた。
シルヴィアは小さな乳首を舌先で弾くように、チロチロと舐めしゃぶった。
舐めていない方の乳首は片手の指先でこねるように弄られている。
空いているシルヴィアの手をルシャードの手がぎゅっと握っている。
腕は動かせないが指ぐらいは動かせる。でも快感に思わず姉の手を握ってしまう。


「ぼうやの乳首がかたくなって、感じてるのがすごくわかる……キスしてあげる」
乳首の愛撫をやめて、再びルシャードの唇を奪い濃厚なキスをする。
姉の柔肌や乳房の感触とキスの蕩けるような快感が混ざり合いルシャードを陶酔させる。
ルシャードの床に投げ出されていた左手がゆっくりと持ち上がり、姉の肩をつかんだ。
驚きキスを中断したシルヴィアを突き放すと、ゆっくりと立ち上がった。
「あれ、何で……ああぁん!」
ルシャードの左手の薬指には、守護の指輪が青白い淡い光を放っていた。
ギルセイバー家の家宝のひとつで、ルシャードがもしもの時に役立つかもしれないといちおう装備していたアイテムである。
期待以上の効果。
魅惑のキスによる麻痺の魔法を吸収した守護の指輪がルシャードの感じた快感も一緒に、シルヴィアに返したのであった。
ルシャードは今度は妨害されずに催眠状態を解除する呪文を詠唱する。
シルヴィアは床の上に倒れたまま穏やかな寝息を立て眠りに落ちた。
「なんだったんだろう」
姉に何かを憑依させてしまったらしい。祓いの儀式はルシャードの知識外である。

「おはよう、姉さん」
「美味しそうな卵焼きね」
「……何で下着姿なの?」
「姉弟なんだから別にいいじゃない」
ルシャードが朝食を準備すると、料理の匂いにつられたように姉が食卓に来た。
昨夜の淫らな姉のしぐさや愛撫をルシャードは、下着姿を見て思い出してしまう。
「いただきます!」
パンに卵焼きを挟んで、かぶりついて満面の笑みを浮かべている。
その姉の様子と昨夜の恥態との間に、ギャップがありすぎる。弟はマグカップに珈琲と牛乳を入れて姉の前に置いた。
「ごくっ……珈琲とミルクのバランスが絶妙だね。これ毎朝飲みたいなぁ」
「自分で作れるでしょ?」
「それがね、珈琲が濃すぎたりミルクが多すぎたりして、なかなかね」
「もう、今日は学校行かないとだから、出かけるなら戸締まりよろしく」
「あら、早すぎじゃない?」
「講義じゃなくて調べたいことがあるんだ」
「そうなんだ、いってらっしゃい」

ルシャードは教会の執務室でビショップのフェイランに催眠の魔導書を手渡した。
「拝見しました。これは催眠の魔法ではありません。今では禁忌とされる召喚儀式の法術のために器となる者を作るための方法です」
ビショップは地域の聖職者をまとめる長官のような存在で王国に二十四人しかいない。
「どこでこの書物を?」
ルシャードは学院の蔵書の中で劣化が激しいものを処分するのを手伝った時に見つけた。
古代文字で記されていたので、誰も解読できなかったらしく貰ってきたことを話した。
「これは写本で、オリジナルは催眠中の人に精霊を憑依させて使役するという神聖魔法儀式の書なのです。しかし、成功した者がおらず、催眠を悪用されるおそれもあり禁書とされたのです」
「これの処分はお願いできますか?」
「お任せ下さい。責任を持って処分いたします。しかし、よく解読なさいましたね。私でも読めない文字が混ざっております」
「ところでフェイランさんに相談したいことがあって来たんです。実は……」
姉に催眠をかけて試していた時、急に何かが憑依したが、守護の指輪で麻痺の魔法から逃れて催眠を解除したことをかいつまんで話した。
シルヴィアの恋心や急に淫らな様子になったことは話さなかった。
「それは興味深い話です。ルシャード様は大精霊を召喚なさったのですね」
「そうみたいだけど、祓うことはできるの?」
「召喚した精霊を使役なさらないのですか?」
四大精霊魔法は火、土、風、水の小精霊の力を使役して行う秘術である。
それらの精霊よりも上位の精霊を召喚したということは快挙ともいえる。
それをルシャードは使役せず、なかったことにするつもりらしい。

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