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クロス・クロニクル
官能リレー小説 - ファンタジー系

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クロス・クロニクル 4

「キャアァ〜〜〜ッ!!?」
突然の事態に泣き叫ぶクィルル。
一方、目覚めた青年は顔をしかめてつぶやく。
「…まずいな…どこで足が付いたのか…」
既に振動は収まっている。
青年はベッドから起き上がると素早く身なりを整え、剣を手に部屋を出ようとした。
「ま…待って!どこへ…!?」
腰を抜かして未だに立ち上がる事すら出来ないクィルルは青年の背に呼び掛ける。
青年は振り返って言った。
「あなたはここに居てください。良いですか?何があっても外へ出てはいけませんよ」
それだけ言うと彼は出て行ってしまった。
「い…一体何だっていうの…?」
クィルルは裸のままベッドから出て、這って窓際まで行って外を見た。
「……っ!?」
彼女は言葉を失った。
家は完全武装の兵士達によって取り囲まれていれた。
兵士達と共に一門の大砲が煙を上げている。
あれが撃ち込まれた衝撃だったのだ。

「ついに尻尾を掴んだぞ!!出て来い!!レオン=ハルト!!」
家の前では兵士達の隊長と思しき軍服姿の女が勢い勇んで叫んでいる。
金髪で眼鏡を掛けており、その奥には鋭い目付きの緑色の瞳、黙っていればインテリっぽい印象の美女だ。
軍服の上からでも判る大きな胸とお尻、背は女性の平均より頭一つ以上高く、スタイルも良い。
「それにしてもいきなり大砲をブチかますとは…クレア少佐、君は相変わらず強引だねぇ」
そう言いながら軍服美女の後ろからフード付きのローブを身にまとった小柄な人物が歩み寄る。
それはどう見ても10歳前後の少年であった。
フードから覗く容姿はまるで少女のようで中性的だ。
軍服美女は少年に言う。
「おそれながらイリヤ様、これぐらいしなければヤツは仕留められません!」
「仕留めらたら駄目じゃないか…もしレオンが死んでしまったりしたら、後で僕が“お父様”からお仕置きを受ける事になるんだからね…」
そう言いながら少年は軍服美女の豊満な乳房と股間に手を這わせる。
「ア…アァンッ…も…申し訳ありませぇん…イリヤ様ぁ…」
先程までとは一変して甘い声を上げながら身悶える軍服美女。

一方、家の中では…
「お…おい!!お前は一体何者何だ!?何で軍なんかに追われてる!?」
「だから私はこんな得体の知れない男を泊めるのには反対だったんだよ〜!!」
「うあぁぁ〜〜ん!!!」
家主の中年男と妻が青年に向かって怒鳴っている。
子供は泣き叫んでいる。
青年は言った。
「申し訳ない…あなた方を巻き込んでしまいましたね。しかしこれは私一人の問題です。これ以上あなた方に迷惑を掛ける訳にはいきません。ここに隠れていてください。…敵の数は20人といった所か…あれなら数分で片が付く」
「じょ…冗談じゃねえ!!もうお前なんか信用できるか!!おい!お前達!行くぞ!」
「そ…そうだよ!もう付き合ってらんないよ!」
「うあぁぁ〜ん!!!」
三人は大砲で開けられた大穴…元は玄関だった所から外へ出た。両手を上げて抵抗の意思が無い事を示しながら…。
「行くなぁ!!」
青年は叫んだ…が、遅かった。

 ズダダダダダアァーンッ!!!!

「「「ぎゃあああぁぁぁぁ!!!?」」」
次の瞬間、無数の銃声と一家の断末魔の絶叫が響いた。
「だから言ったのに…」
青年はつぶやく。
一家は玄関先で体中に開いた無数の穴から血を流して無残に転がっている。
「あぁ…な…何でぇ…何で俺達がぁ…っ!?」
中年男は運良く急所を外れたらしく、まだ意識があった…が、出血多量で長くはないだろう。
息子は瀕死で血の海の中で白目を剥いてピクピクと痙攣している。
頭を撃ち抜かれた妻は幸運だった…何が起きたのかも解らずに逝っただろう。

「な…何なのぉ…?一体何が起きてるって言うのぉ…?」
家の中から隠れて様子を見ていたクィルルは、ただガタガタと震えているしか無かった。
彼女は自分でも気付かない内に失禁していたが、今はそれを気にしている余裕すら無い。

「フフフ…お馬鹿な家族だね。自分達は関係無いから助けて貰えるとでも思ったのかな。甘い…甘過ぎるよ。罪人に関わった時点で同罪なのにね…」
家の外ではイリヤと呼ばれた少年が相変わらずクレアと呼ばれた女軍人の乳と股をイジりながら薄笑いを浮かべて淡々と言った。
クレアは喘ぎながら同意する。
「ハァ…ハァ…アァンッ…そ…その通りでございますぅ!イリヤ様ぁ〜!」

「まったく…随分と手荒い歓迎ですね」
大砲によって開けられた穴から青年が姿を現した。
イリヤは嬉しそうに手を差し伸べて言う。
「やあ!会いたかったよ、レオン。さあ、僕達と一緒に行こうよ。お父様もお待ちかねだよ」
「…お断りいたします。帰ってあのお方にお伝えください…あなたのような腐れ外道の所に連れて行かれるぐらいなら死んだ方がマシです…とね」
「あぁ…レオン、レオン、レオン…あんまり僕を困らせないで欲しいなぁ…」
そう言うとイリヤはクレアの方を見て目配せした。
クレアは頷き、おそらく彼女の部下であろう兵士達に命じた。
「ヤツを捕らえろ!!かかれぇ!!」
「「「はっ!!!」」」
20人の兵士達が青年…レオンに襲いかかった。

その僅か2分後…
「な…何てヤツだぁ…」
「つ…強えぇ…」
そこには打ち倒された兵士達と、その中央で鞘に納められたままの曲刀を持ったレオンがいた。

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