異色の瞳 99
今日は収穫無しかと諦めかけた時に、ふと入った裏路地。
表の通りに比べると、光と影の如く暗く、寂れていた。
「なッ、何かおっかねぇ〜な…」
セフィルがゼロの服の袖を掴んでくる。
一方ゼロは、気にした様子も無く、しゃあしゃあと歩き出していた。
セフィルも引きずられる様に、と言うよりも袖を掴んでいたので実際引きずられていたのかもしれないが、ゼロに着いていった。
「ん?」
いきなりゼロが疑問符を浮かべると共に立ち止まる。
「ぅえ?うぶッ!!」
セフィルが気付いた時には遅く、素っ頓狂な声を上げながら、ゼロの背中に突っ込む。
「…この匂い…」
「てて…。匂い?」
ゼロが辺りの匂いを嗅いでいるのを真似して、セフィルも嗅いでみる。
「???」
特に気になる匂いも無く、セフィルは怪訝にゼロを見る。
「そっか、人が居なくなったからか…」
「どうしたんだよ?」
「あ?あぁ、匂いが微妙にするんさ。ヤル達と同じ様な匂いがさ」
「そッそれって…!?」
「その通り。多分こっから近いかも…」
「マジかよ…」
「取り敢えず行ってみるぞッ」
ゼロが匂いを辿って歩き出すのに合わせ、セフィルも歩き出す。
「アレ…か?」
目の前に聳えるは、周りには似つかぬ程巨大な建物で…と、いう事は無く、特に周りと代わり映えのしない寂れた建物であった。
ただし、入口の辺りに門番らしき人が立っている。
「セフィルはディークさんに知らせてくれ。僕は上手く潜入して、探ってみる。此処に戻って来て騒がしかったら加勢に来てくれよ?」
最後の方は笑いながらゼロが言うが、セフィルは心配そうな表情を浮かべる。
「大丈夫だって!僕は人は殺さないから」
前にゼロがモンスター達の巣に、単独で攻め込んで皆殺しにしていたのを気にしていると思ったのか、セフィルに向けて言う。
「それもそうだけど、ゼロも気を付けろよな?」
「おぅッ!んじゃぁ頼んだぜ?」
「分かった。本当に気を付けろよな?」
「解ってるって!」
後ろ髪を引かれる様に、セフィルが表通りへと駆け出す。
それを見送ると、ゼロは静かに門番の元へと歩き出す。
僅か門番が警戒するも、相手が子供と解ると警戒を解いた。
「此処はボーズの来る様な場所じゃねぇ〜ぞ」
鼻で笑いながらゼロにそう言うが、対するゼロは何と無しに男に質問する。
「人狼族だっけ?此処で買えるの?」
いきなりと言えばいきなりで直球だが、男は子供の戯れ事として片付け様とあしらう。
「人狼族ぅ?んなモン居るわきゃ無ぇ〜だろ?居たとしてもガキの小遣いじゃぁ…」
ジャランと複数の金属音が響き、男の手に何か乗っかると、喋るのを中断してしまった。
「これじゃぁ足りない?」
大きめの麻袋に入った大量の金貨をちらつかせると、男は先程手に乗せられた物を見る。