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異色の瞳
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異色の瞳 1

「ぁ〜あ…つまんねぇ〜なぁ〜…」

晴れ渡る空の下、木の上で林檎を頬張る少年が一人。

ゼロ・トゥルース
彼の名前。まだ13になったばかりのやんちゃ盛り。
遊びたい盛りでもある年頃だが、彼のその容姿のせいで誰も近付いて来ない。

そう。ただ瞳の色が左右で違うだけで。

右は澄んだゴールド。
左は深いブルー。


右から見たゼロの顔は、生き生きとした元気な少年。

左から見ると、どこか深い哀しみの表情と取るか、深い憎悪の感じられる表情と取るか。
夜になると、その差が貧著に現れ、村人達から非難されている。
「モ、モンスターだ〜!」
「助けてくれ〜!」
声が聞こえると同時にモンスターが来る。
「ん?」

ゼロが下へ目をやると、一人の少年がモンスターに追われていた。

「あッ!おいッお前ッ!そんなトコで見てないで助けろよッ!」

その言い方が気に入らなく、放っておく。そもそもゼロ自身、他人との関わりを持ちたく無かったのである。

「ぎゃああぁぁぁッ!ぐわああぁぁぁッ!」

ゼロに何がなんでも助けて貰いたいらしく、ゼロの居る木の周辺ばかりを叫び散らしながら逃げている少年。

「だああぁぁぁッ!五月蝿ええぇぇぇぇッ!」
耐え兼ねたゼロが木の上から飛び降り、モンスターを踏み潰す。
すると追い掛けられていた少年が近寄って来る。

「いやぁ〜さんきゅぅ〜!助かったぜ!」

のこのこと歩み寄って来る少年の脳天に、ゼロは取り敢えず拳を突き立ててみた。

「人がのんびり昼寝でもしようかと思ってたんに、よくも邪魔してくれたよなぁ〜」

「痛ぇッ!酷ぇッ!マジで殴ったろッ!」

「五月蝿ぇッ!お前が悪いんだろッ!」

更にもう一度、今度はつむじを狙ってみた。

「そんな殴る事無ぇ〜だろぉ〜」

「ほぉ〜ん…まだ口答えする気?」
「いえ、とんでもございません。どうもご迷惑おかけしました」

ゼロの威圧に負けた少年は、へこへこと頭を下げていた。

「けッ!まぁいい、さっさと消えろ!」

「やだッ!名前位教えろよッ!」

「ぁ〜?ゼロだよ!さぁ〜帰れ。僕は他人は嫌いなんだよ」

「ゼロってんだな!俺はセフィル!又頼むぜ!じゃなッ!」

「ぁ?また…?ちょっと待てぇーッ!」

だが、走り去っていった少年、セフィルはもう見えなかった。

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