異色の瞳 95
暫くの間が流れた。レースをじっと見つめて考えていたユーリはセフィル達に振り向くと小さな声で「…ごめん」と呟いた。
「ん?なんだって?」
「こらセフィル!もういいでしょ、収まったし。ふぅ、びっくりしたぁ…」
「でも!レースおねえちゃん、他のみんな!仲間が、酷いことされてる!ユーリ、逃げた!」
「ええ、ユーリ、分かっているわ。その話、詳しく聞かせてね。まずは皆さんが揃ってから…」
「さっきの悲鳴、どうしたの?!」
一足遅くゼロとヤルが合流した。
「おっせえ、どこいたんだ…よ…」
セフィルはヤルが少年に戻っていることに気付き、ゼロの身体が火照っているような状態から全て悟ったようだった。
「ははは、すまん」
「い、いやー…」
「ユーリ!」
「ヤ、ヤルー!!」
ユーリとヤルは互いに喜びあい、ゼロはレース達から事情を聞いた。
「よし、じゃあディークさんが戻ったら話を聞こう!」
一同頷き、中断してしまっていた荷物の運び込みを再開する。
特に今回は、馬車を点検に預ける為に、全ての荷物を各部屋に分けて運び込んだ。
「流石に疲れたなぁ〜」
思ったより重労働だった荷物運びを終え、ゼロはベットへとダイブする。
「ご苦労様」
フィウがその傍らに腰掛ける。
此処は二人に割り当てられた部屋。
隣の部屋は何時もの様に、セフィルとライム、レオナとエレン。更に隣は、レースにユーリにヤル、ディークと言った部屋割になっている。
「ねぇ…」
フィウがゼロの隣に寝転がり、話し掛ける。
「ん?」
「…ディークさん、まだ掛かるかな?」
「ん〜…一応夕食までには帰って来る様な事言ってたから、まだ掛かるんじゃね?」
「じゃぁまだ時間あるんだ…」
フィウの頬が紅潮している事に気が付いたゼロは、フィウを抱き寄せる。
「シたい?」
ゼロがそう問うと、恥ずかしいのかゼロの胸板に顔を埋め、頷く。
そんなフィウを少し引き離すと、額へと唇を付ける。
そのまま体の位置をずらし、頬っぺたから唇へと移動していく。
「んん…ッ」
フィウの咥内に、ゼロの舌が潜り込み、暴れ回る。
やがて舌を絡め取られ、それに応える様にフィウも追い掛け絡め合う。
水を弾く様なピチャピチャという音を発て、荒い吐息を部屋に響かせながら。
不意にゼロの右手が、フィウの乳房を揉み上げ始めた。
「んんッ…んふッ…」