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異色の瞳
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異色の瞳 83

頭を撫でられている事が不満なのかセフィルに言うが、別に止めさせようともしない。

「ゼロぉ〜!セフィルぅ〜!馬車の用意が出来たって〜」

階下からフィウの呼ぶ声がし、二人は荷物を持つと部屋を後にする。


宿屋の主人に挨拶と謝罪を済ませると、馬車に乗り込む。

動き出すなりセフィルの腹の虫が鳴き出す。

「俺って、どん位寝てた?」

「4日位だな」

ゼロが言うとライムが横槍を入れる。

「また寝たいなら俺に言えよぉ〜?」

その言葉に、セフィルは身震いする。

「いや、結構」

キッパリと断るセフィル。それと同時に何か思い出したかの様に口を開く。

「そいや、俺が気失ってた間アレはどうしてたんだ?」

その言葉にライムは顔を赤らめる。

「ゼロ兄ちゃんにもらった」



ライムが顔を赤らめているのに気付いたゼロは、ニヤリと口端を上げ、悪戯な笑みを浮かべる。

「そーそー、ライムったらさぁ〜」

「わぁ〜ッ!やめッヤメッ!言うなぁ〜ッ!!」

ゼロの言葉を遮る様に喚き散らすライム。

セフィルはその様子を首を傾げながら不思議そうな表情を浮かべる。

「何でもないからなッ!」

セフィルには到底言えない様な失態をゼロに曝してしまった為に、ライムは今までに無い程取り乱している。
その横でゼロは腹を抱えて涙すら浮かべながら笑っていた。

久々にセフィルを交えた会話は盛り上がり、気付けば日が暮れていた。

「今日は此処で野宿だ」

デュークが馬車を止めると言ってくる。

降りると、そこは穏やかに流れる清流のほとりであった。

全員で夕食の支度をして、食べながら今後の進路について話し合う。

「少し遠回りになってしまうが、二日程馬車を走らせれば街に着く。そこで物資の調達と馬車のメンテナンスができる」

デュークが地図を広げながら説明をする。
「馬車のメンテナンス?」

いまいち良く解らないのか、セフィルが聞き返す。

「あぁ。車軸や車輪等に皹や摩耗が無いか、他にも傷んでいる所が無いか見てもらう。大分距離も走ったからな」

「馬は診てくれないの?」

ポンと手を突き納得しているセフィルを余所に、フィウが質問する。

「時間は掛かるが診てもらう事も出来る」

「どの位掛かるの?」

「そこの設備にもよるが、早くて4日。遅くて7日だな」

「結構掛かるのね…」

フィウが悩んでいると、ゼロはさも当たり前そうに言う。

「まだ先長ぇ〜んだから、ついでだろ?」


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