PiPi's World 投稿小説

異色の瞳
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 49
 51
の最後へ

異色の瞳 51


「…ったく〜」

他のメンバーはすでに出発支度を始めていた。

「今日は町か村に着きそうですか?」

地図を見ていたディークが答える。

「…無理だろうな。あと2、3日は野宿を覚悟しろ」

みんなから小さな溜め息が漏れた。
ディークは表情一つ変えずに馬車に乗り込む。

馬車を走らせて一時間ほど経った時、ふいに外が暗くなった。

「どした〜?雨でも降るのか?」
「…マズいな」

ディークが馬車を止めた。
セフィル達が外を見ると、空自体が見えない。
森のように木々が周りを囲んで空をも埋め尽くしていたのだ。

「…昼だと思って油断した…」

冷静なディーク。馬車の前には植物のモンスターが10匹以上。気味の悪い触手がウネウネと蠢いていた。

「ち、厄介だな〜」

ゼロ達が馬車から降り、戦闘体制に入る。

「ノルマは1人一体以上か…、キツいな…」
「けどやるしか無いわね、レースさん達は無理しないでね!」
「はい」

不気味な触手が一斉に襲ってくる。
枝が変形したようなその触手達は、先頭に立っているゼロに向かってくる。

「フィウ!エレン!援護頼むぜッ!」

ゼロがセフィルと共に触手達に向かって行く。

「任せてッ!ファイオッ!」

言うが早いか、フィウが速攻で炎系魔法を放つ。
それは、ゼロとセフィルの間を抜け、襲い来る触手達の一部を焼き払う。

「お〜ッ!凄ぇ〜なぁ〜」

セフィルがモンスター本体へ向かいながら感嘆する。

「感心してねぇ〜で、次来るぞッ!」

焼け落ちて上がる煙の中から、次の触手群が襲ってくる。
セフィルが慌てて剣を構える。

「ぼーッとしてる暇は無ぇッてな感じだな!」

二人が剣を奮い、触手達を切り落としていく。

「ファイオルッ!」

先のフィウの魔法より、一回り近く大きな炎の塊が触手達を焼き払い、本体達の一部を焼いた。

ゼロとセフィルは驚いて振り向くと、軽く息を切らせたエレンがいた。
横でフィウが大喜びしている。

「負けてらんねぇ〜な」

どちら共なく気合いが入り、敵本体へと一気に攻め込む。

「大人しく切り蕪にでもなってろッ!」

ゼロが力任せに剣をフルスイングする。
一体は切り落ち、二体目は半分程減り込み、自重で倒れ落ちる。

「堅ってぇ〜なぁ〜ッ!」

セフィルは一体にてこずりながらも確実に倒して行く。

「ファイオッ!」

エレンとフィウも二人の援護をしつつ、本体に攻撃する。
ディークもレースとヤルの護衛に回っていた。




「疲れたぁ〜…」

セフィルがへたり込む。

「ぁあ…汗びっしょりだし」

ゼロが汗で肌に張り付くシャツを摘む。



SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す