異色の瞳 34
戻ってきたフィウに、エレンが声をかけた。
「どうなっていましたか?」
「どうもこうもないわよ!あの女、お礼だって言って、終わったのにまだゼロの上に跨ってるのよ!」
不機嫌な口調で言い放つフィウ。
それを複雑な表情で聞くアル。
「では、これでもしますか?」
「?」
エレンが言う。彼女が取り出したのは、カードの束だった。
しばらく、4人はカードに興じていた。
といっても賭け勝負ではなく、単なるゲームである。
小一時間ほどのカード遊びの後、ようやくゼロが出てきた。
「おーい。待たせたなぁ。」
「遅すぎです!」
「お前ばかりずるいぞ!」
「ゼロって結構だらしないのね。」
「・・・・・。」
「うっ・・・。」
全員の批判的視線と発言に、ゼロはやや腰が引ける。
その気まずい雰囲気の中、スメラナとネーアが馬車から出てくる。
「お待たせしてしまって申し訳ありません。早速出発しましょう。ガールに着く頃には日が暮れてしまうかもしれませんので」
スメラナがそう言うと、フィウは内心で「誰のせいだと思ってるの」と叫びたかった。
「そッそぉだな!よしッ行くぞ!」
この重く冷たい空気から逃げたく、ゼロが元気に言う。
ゼロが御者を勤める馬車は日もどっぷり暮れた頃にガールへと着く。
スメラナ達を送り、宿へと馬車を進める。
「さてと、暫くはこの街に居る事になるな」
「そうね…早く分かるといいね」
「そうだな。まぁ〜先ずは人探しからだな」
ゼロがベットにダイブする
「誰を探すの?」
「ティム・リンバートって言う、考古学者。この街に住んでて、龍族に関する遺跡の探索、研究をしてんだってさ」
「へぇ〜……ねぇ…ゼロ…」
「ん?」
フィウが顔を赤く染めながら
「Hしよ…?ちゃんとした所でしたことなかったし…」
ゼロを軽く上目使いで見る。
フィウの仕草にドキッとするも、翌々思い返せばフィウとはいつも外であった事に気付く。
それに、フィウ限定ではなくても、殆ど外でしかした事無い事にも気付く。
「始めからそのつもりで部屋割決めたんだろ?ったくしょうがねぇ〜なぁ〜」
ゼロとフィウ、セフィルとエレン。始めからフィウの手の平の上であった様だった。
「何だかんだ言っても、ゼロだってベットでしたいんでしょ?」
フィウが有無を言わさぬ笑みで言ってくると、ベットに突っ伏しているゼロのズボンを脱がせ始めた。