異色の瞳 21
まず、ミント姫が降りた。
騎士たちが威儀を正す。
そして、迎えに来た美女に抱きついた。
「ああ・・・レニア・・・。」
「姫様・・・・心配しておりました・・・。」
そして、続いてゼロたちも降りた。
「姫をお救い頂き、ありがとうございました。聞けば私どもの偽者が姫を連れ出したとか。」
「これが本物か・・・。」
「あら?」
「おいセフィル」
「あ、いや、さっきの偽者より美人だったから、つい・・。」
「ふふ、ありがとう。」
レニアを見つめて呆けているセフィルを余所に、ゼロが問いかける。
「襲われたのって初めてじゃ無いだろ?」
いきなり不躾だが、レニアの表情が引き攣る。
「何故ですか?」
「いくらなんでも手が込んでるだろ?僕等が通りかかった事は偶々にしても、レニアさんの偽者だのってさ」
「察しが良いですね。確かにこれが三度目になります。でも、今回の様な事は初めてです。今までは、此処へ奇襲をかけてきていた程度でしたので…」
「奴らが何処から来てるかとか解る?」
「はい。大体の推測なのですが、此処より南方に一時間ほど歩いた所に洞窟があるのですが、最近その近辺で魔物をよく見るという話を聞くので、そこではないかと…」
「へぇ…丁度いいや…」
生返事の後に、ぼそりと呟く。
するとレニアが疑問符を浮かべている。
「ぁあ〜こっちの話だから気にしないで」
「ぁのぉ〜…立ち話も何ですので、中へどうぞお入り下さい」
ミント姫が申し訳なさそうに言ってくる。
「ぁあそうだな」
そうして城内へと入り、姫や王様達とディナーを取る事となった。
「私はこの城の主のアルダーと申す。娘の危ない所を助けて頂き、ありがとう。本当に恩に着るぞよ」
ゼロ達はアルダー王に何度も礼を言われ、照れ臭くも、厳粛に返す。
そんな形で、多少気の張る夕食であったが、アットホームな一時であった。
ディナーが終わると、各自割り当てられた部屋へと案内される。
とは言っても皆隣同士であるが。
「それじゃぁ今日もお疲れ様でした。明日、ガールの街まで送ってくれるそうだから、寝坊しないでね。おやすみ!」
フィウが皆に告げると部屋へと入る。