異色の瞳 19
彼らの前ではフィウがミント姫の世話をしている。
「ゼロさんとHして中に精液を注がれてますから、彼女が魔物のはずは無いです。もし魔物ならただでは済みませんから。もしゼロさんの精液で浄化された魔物なら姫としてお城を出るまでの記憶も無いはずです。」
「これで・・・よしっと。」
ミント姫の着替えが終わり、彼女はフィウの持っていた平服姿になっていた。
そこにセフィルが戻ってきた。
「だめだ、殺された魔法使い以外誰もいないぜ。」
彼は馬車の中を調べていたのだ。
「そんな・・・・!レニア・・・・」
ミント姫が絶句する。
「姫様、待ってくれ・・。死体すらないんだから、死んだとは限らないぜ。」
その時、風に乗って遠くから声が聞こえた。
「姫様・・・」
声のほうを見ると、遠くから1人が近づいてくる。
全員が身構えるが、様子がおかしい。
それは近づくに連れて明らかになる。
身なりは騎士なのだが、騎乗ではなく徒歩であり、また左半身を血に染めて足取りもぎこちない。
そして近くまで来て、言った。
「お前たち・・、我が姫様を知らぬか・・。」
「あなたはアリアス!大丈夫ですか!」
アリアスと呼ばれた男はゼロたち5人を見て、ようやくそこに姫がいることに気付いた。
彼はなんとかミントの前で臣下の礼をとる。
「お、おお・・・姫様・・。私はなんとか・・姫様こそ、魔物に連れ去られたにもかかわらず良くぞご無事で・・。ところで、この者たちは?」
「僕はゼロ。姫様の馬車が追われているところに出くわしたんで魔物を倒して助けたんだよ。」
「俺はセフィル。」
「僕は・・・エレンといいます。」
「私、フィウといいます。騎士様、お体は・・・」
「私は多少の傷は負っておりますがまあなんとか。」
「やはり、わたくしは攫われていたのですね。」
「は、はい・・?!姫様?」
「実は別荘へと馬車で城を出た後、この方たちに助けられるまでの記憶が無いのです。」
「なんとそれは・・・。ともかく一度戻りましょう。アルトマンが増援を呼びに戻っています。他の部隊がじきに迎えに参りましょう。」