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異世界物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界物語 9

俺はエリスの耳元に唇をつけて、軽く吸った。

「きゃっ、そんなトコ…」
「俺はどうすればエリスを気持ちよくしてあげられるか知りたい」
「……」

軽い羞恥を帯びたエリスの声が止む。でも嫌がるのではなくて素直に俺に任せてくれたらしい。
耳の輪郭沿いに舌をつける。

「あっ、それ、いいかも…」
俺がエリスを抱いてた頃…

 

 

  
 
「本日は逃亡者2名を処刑致しました。作業で倒れた者は1名です」
「逃げる者は少しずつ減ってきたね」
「逆らっても無駄と悟りつつあるものと思われます」

領主の館では、黒髪の女領主が騎士から報告を受けていた。
エリスやマリエル、それにこの場にいる配下の者とは違う東洋系の顔立ちをした美しい女性だ。

「ご苦労様です。この調子で採掘を続けよ。早急に資金を貯めるの」
「畏まりました」

騎士が一礼して執務室を退去する。

ドアが閉まるのを見ながら彼女は考えていた。
(鉱物の豊富なこの地を奪えたこの僥倖。最大限に活かしてみせるわ。この動乱に乗じてゆくゆくは私がこの国を制し、見返してやるんだから。)

「イメルダ」
「はい」

女領主の呼びかけでメイドが入ってきた。

「この屋敷に不穏な動きは?」
「ありません。彼も忠実に職務を果たしています」
「よろしい。これからもお願いね」
「かしこまりました」

イメルダの答えを聞くと女領主は端麗なる顔に満足げな笑みを浮かべ、椅子から立ち上がる。
着物の合わせ目からのぞく谷間はかなり豊かで深い。傍らの日本刀を手にして横の扉へ歩きだす。
その姿は美しい女侍。
まるで図ったかのように、その扉の向こうから赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、素早く回り込んだイメルダが扉を開く。

「領主様」
「おやおや、お腹が空いたのね」

イメルダとは別のメイドに抱かれて元気に泣く赤ちゃんの顔を見るなり、女領主は相好を崩す。
女領主としてのクールな顔から一転して、母親らしい優しい顔になっている。
大きな胸元を開いておっぱいを出すと、桃色のベビー服に包まれた赤ちゃんをふわりと抱き上げた。

「ほら、さちちゃん」

母親の乳房を見た赤ちゃんは、幸せそうに母の大きなおっぱいに吸い付いた。
我が子がこくこくと母乳を飲む姿を見つめる女領主。
女領主母子、それにメイド二人がいるこの部屋に流れる空気はとても暖かくて、領民から搾取する悪領主には見えなかった。

(この子の為にも、我が勢力を強固にしなくては。この異国の地で、それも王家が絶えて群雄割拠の乱世寸前のこの国でこの子と生き抜いてあの者達を見返す為ならば悪鬼羅刹になろうとも私はどのようなことでもして見せる。だからこそ今は財力を蓄えないと!)

女領主は手の中でおっぱいを飲む赤ちゃんの姿をあくまでも優しい顔で眺めながら、心の中にそうした決意を浮かべていた。

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