PiPi's World 投稿小説

メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 77
 79
の最後へ

メロン・ワールド 79


…………

メイド3人から交互に股間をしゃぶられつつ朝食が終わると、イルジーマが告げてきた。
『ラグーナ様から伝言です。午前中に奴隷会議を行いますので、御出席を』
奴隷会議。ラグーナ達が貝丞の失神中に、無断で彼の処遇をいろいろと決めた会議である。貝丞としては、初めて出席することになるわけだ。
「分かった。で、今日の議題は何?」
『はい。御主人様の表向きの立場について決めたいと……』
なるほどな。貝丞は頷いた。ラグーナもミュラも、この世界で高い地位にいる女性である。別の世界から来た少年の奴隷になりました、等と世間に公表できるはずもない。貝丞をこの屋敷に置くために、それなりの名目を考えなければいけないのだろう。

イルジーマに伴われ、メイドの牽く車に乗って会議室に着くと、ラグーナ、ミュラ、そして数名のメイドがテーブルを囲んで椅子に座っていた。彼女達が会議のメンバーらしい。全員がドレスかメイド服を着ていたが、胸のところだけ綺麗に布地が切り欠かれていて、豊満過ぎる膨らみが剥き出しだった。
『『『おはようございます。御主人様』』』
ラグーナ、ミュラ、メイド達が椅子を降りて跪く。貝丞は「よ、よろしく……」と会釈をしながら、イルジーマの引いてくれた椅子に座った。ラグーナ達も椅子に座る。
『それでは、奴隷会議を始めます。本日の議題は、御主人様の表向きのお立場についてです』
ラグーナが宣言する。
貝丞は、密かに意気込んでいた。
これまで貝丞は、彼の知らないところでラグーナ達の好き勝手に処遇を決められていたが、今回は意見を言える。主導権を取るとまでは行かないまでも、多少は存在感を示して、彼女達の無茶な取り決めを防ごうと思っていた。
『では、意見のある人は挙手をして述べてください』
『はいっ!』
最初にミュラが、勢いよく手を挙げた。
『御主人様は武芸の腕を買われたという設定で、町の警備隊員としてボクの補佐係になるのがいいと思います』
どうやらミュラは、治安維持の責任者のような役割を担っているらしい。会議の様子を聞いているだけで、ラグーナ達の仕事や、町の様子がいろいろ分かりそうだなと貝丞は思った。
『全然駄目ですね』
イルジーマも負けじと挙手をし、のっけからミュラの意見を全否定した。
『いくらお強いと言っても、世間的に見て、御主人様は言葉も分からない流れ者の男の子です。いきなり町の警備隊員に採用されるという設定は無理があります。ここは所持金を使い果たして途方に暮れていたところを、領主屋敷の心優しい侍女長に拾われ、侍女長の下で働く小間使いとして採用された設定にするのが一番です』
『何だって!?』
『何か?』
けなされたミュラが目を剥き、睨まれたイルジーマもまた、いささかも怯む気配を見せなかった。貝丞は腕組みをして目を閉じ、場の空気に意識を集中する。
『あたしとしてはね……』
今度はラグーナが発言を始めた。
『いきなり警備隊員もどうかと思うけど、御主人様のような立派な男性が小間使いなんかしているのも違和感があると思うわ。ここは遠い地域からスカウトされて来た、領主付の秘書にするのはどうかしら?』
『……ラグーナ、それ、警備隊員より無理があるよ』
『何ですって!? ミュラ、姉の意見に逆らうの!?』
雰囲気が険悪になる。そして、一瞬の沈黙が場を支配した。
『『『…………』』』
――よし! チャンスだ!
時は今、とばかりに貝丞はカッと目を見開き、会議の流れを制するべく、電光のように挙手をして発言した。
「どうやら、案の方は出尽くしたみたいだな。ここからそれぞれの案を検証しよう。1つ1つメリットとデメリットを挙げて比較することで、ベストな解決方法を……」
だが、彼が言い終わる前に、ラグーナは唇にシーッと指を押し当て、その発言を制した。
『御主人様。重要な会議の最中ですので、どうか御静粛に……』
「え!? 俺、発言権ないの!?」
『はい。奴隷の奴隷による会議ですので……』
愕然とした貝丞は、しおしおと手を下した。

…………

しばしの後、再開された彼女達の話し合いを、貝丞は無気力に傍観していた。
「…………」
ラグーナ、ミュラ、そしてイルジーマを筆頭とするメイド達は、いずれも自分の案が最善だとして譲らず、他者の考えをナンセンスだと非難し合っていた。絵に描いたような平行線である。
『秘書になんかなったら、御主人様はずっとラグーナ様のところにいるじゃないですか!』
『それの何が悪いのよ!?』
『悪いに決まってます! 私達侍女が犯してもらえる時間がないじゃないですか!』
『私が御主人様の性の捌け口になってるからいいのよ!』
『ラグーナずるい! 御主人様は家畜のボクをずっと強姦するの!』

…………

「……はっ!」
不意に、貝丞は我に返った。一言もしゃべれず、会議も進まない退屈のうちに、どうやら寝てしまっていたらしい。窓の外を伺うと、とうに昼は過ぎ、夕方近くになっているようだった。そして、ラグーナ達は飽きもせずに怒鳴り合いを続けていた。

『侍女は数が多いのですから御主人様との時間を多くいただけて当然です!』
『身分をわきまえなさい! 領主の私が優先です!』
『元はと言えば、ボクが試合をしなかったら御主人様は……』
「大変申し訳ございません……」
このままではいつまで続くか分からない。危機感を覚えた貝丞は、ハンペンのようにプルプルと震えながら右手を挙げていた。
『御主人様?』
「よろしければ、発言の方をお許しいただく方向で御検討いただけないでしょうか……?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す